検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:101,802 hit

星に願いを1 ページ17

裕くんがいなくなって半年

俺は抜け殻のように生きている





あの日…

どうして俺達は、ドライブなんかに出掛けたんだろう

もう夜も深くなっていたと言うのに





俺の隣で笑う裕くんに、死が近付いているなんて思いもしなかった

突然現れた強い光に、裕くんを庇う事も出来ずに意識を失った





目を覚ました時、隣に裕くんはいなくて

ベッドから起き上がる事も出来ない俺が、変わり果てた裕くんに会えたのは

一か月以上も経ってからだった





泣いても泣いても、涙は枯れる事は無くて

もう体の水分なんて無いんじゃないかってくらい泣いても…





俺は生きている

裕くんはいないのに…





生きる事が辛くて、思い出の砂浜に立った時

彼に出会ったんだ





切れ長の目に、すっと通った鼻筋

クールな笑顔で、俺の前に突然現れた彼は

何も言わず俺の傍にずっと立っていた

普段なら、こんな事…

知らない人が、俺の隣に居続けてるなんて事、怖くて逃げ出してるはずなのに

生きる気力もなかった俺は、もうどうなってもいいって、そのまま彼を受け入れた





どれくらい経ったのかな…

彼が突然海を見たまま、話し始めたんだ





「彼に会いたい?」

「えっ…?」

「ずっと…愛してたんだもんね。」

「…っ…」

「大丈夫。生きてれば、会えるよ。」





海を見つめるその瞳は、星を映してキラキラと輝いていて

月の光に照らされた横顔は、まるで天使みたいに澄んで見えた





「…本当に…?」

「うん。」

「聖なる夜…ここに来て強く願えば会える。」

「…」

「信じるか信じないかは、君次第だけどね。」





信じられるはずなんてない

だって、裕くんはもうこの世にいない

生きたまま裕くんに会えるなんて…

裕くんに会うために生きろだなんて…





「裕太は、君が死ぬことを望んでないよ?」

「…っ!」

「俊を止めて欲しいって。」

「………き、きみは…だ、れ…?」



名前を言われた時、背筋がぞっとした

この人は誰なんだ?

なんで裕くんを知っている?

なんで俺の名前を知っている…?





彼は何も言わずに微笑んだ





「泣かないで?」

「…ぁ…ぁぁ…」

「生きて…裕太を待っていてやって…?」





そこからの記憶はない

気が付いたら、自宅のベッドで眠っていた





聖なる夜…

本当に裕くんに会えるんだろうか…





.

星に願いを2→←金曜の夜



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
706人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MISA | 作成日時:2018年3月2日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。