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ふたご座流星群 ページ13

生放送を終えた夜





「お疲れ様でした!」

「来週もよろしく〜」





短い打ち合わせを終えて、スタジオを出る

二人はもうライブのリハに向かったんだろうか

マネージャーの迎えはまだみたい

少しだけ出来た時間に、局の屋上へと足を向けた





「さみぃなぁ…」





見上げた空に、僅かに光る星





「見えねえかなぁ…」





流れ星を見たら願い事をするのだと、教えられたのはいつだっただろうか…





「ぁ…」





一瞬見えた流れ星





「藤ヶ谷と…」





言いかけて、我に返った





何言おうとしてんだろ、俺…





もう一度見上げた空に、当然もう流れ星はいなくて、次の流れ星も現れそうにない





「こんなもんだよなぁ…」





零れそうになる涙を、空を見上げて堪えた





「北山?」





背後から突然聞こえた声

驚いて振り向けば





「藤ヶ谷…」





立っていたのは、今まで頭を支配していたその人で





「行ったんじゃなかったのかよ。」

「昔お世話になったディレクターさんにばったり会ってさ。ちょっと話してた。」

「そっか…。」





ゆっくりと歩いてくる藤ヶ谷に、否応なしに胸が震える





「何してたの?」

「え?」

「屋上なんて、珍しいじゃん。」





真っ直ぐに向けられる瞳

まるで、空の星が藤ヶ谷の瞳に映ったみたいにキラキラと光って見える





「藤ヶ谷こそ…」





聞かれた質問に、同じように返す

藤ヶ谷は困ったように、視線を外してポツリポツリと話し出した





「北山が…いたから…」

「え…」

「忘れ物に気がついてスタジオに戻ろうとしたら、エレベーターにフラフラと入っていく北山を見かけたんだよ。声掛けようと思って、駆け寄ったけど目の前で扉閉まっちゃって…」





んふふって、照れたように笑う

その微笑みは、優しい





「てっきり駐車場に降りるんだと思ったら、エレベーター、上がってくから…さ…」




ちらりと俺を一瞬見た後、また視線を落とすから





「……もしかして…心配して見に来てくれた…?」





覗き込むように藤ヶ谷の瞳を窺う





「だって…何かあったのかなって思うじゃん!」





急に早口になる

藤ヶ谷が照れたり焦った時のくせだ





「…ありがとな。」





素直に礼を言うと





「別に…それだけじゃないし。」





不貞腐れる子供みたいに、そっぽを向いた






.

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作者名:MISA | 作成日時:2018年3月2日 10時

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