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輝く夜に 3 ページ12

「また今年もひろの誕生日を一緒に祝えて嬉しい。」

「…俺もっ…」

「来年もまた一緒にお祝いしよう。ずっとずっと傍にいてね。」

「俺こそっ…」





もう駄目だ

涙が溢れて、気が聞いた事何にも言えない

太輔の言葉に頷くだけ…





「あー、泣いちゃったらせっかくの夜景が見えなくなるじゃん。ほら、涙拭いて。一緒に夜景楽しもう。」

「太輔のせいだもん。」

「んふふ。」





太輔の体がグッと近づいて、二人で窓の外を覗き込む





「あ、あれってお台場だよね。」

「うん。俺達昨日あそこにいたね(笑)」



「あ、東京ドーム!」

「来年もまたライブやりたいね。」



「あ、東京タワー!」

「やっぱりダントツで綺麗だね。スカイツリーはもう少し先かな。」





東京の街はどこもキラキラ輝いて、まるで宝石箱をひっくり返したみたい

夜景に見とれていると、キュッと手を握られた





太輔の温もりと一緒に、俺の手に触れたもの

驚いてそれに目をやると、小さなメッセージカードだった





「…?」





太輔の方を見ると、微笑みを浮かべて小さく頷く

ゆっくりとカードに書かれたメッセージを読む





『一緒に住みませんか?夜景の綺麗なマンション、見付けました。』





「えっ…」

「この夜景には、敵わないけどね。素敵な所だよ。」

「太輔…」

「返事はすぐじゃなくていい。良く考えて答えを出して。」





止まった涙が、また溢れだす…





「ばか…答えなんて、もう出てるよ。」





俺の言葉に嬉しそうに笑う太輔

再び手に戻される太輔の温もり…





眼下に広がる美しい夜景は途切れる事は無い

一つ一つの小さな明りに、人々の日常がある

これからは…あの明りの一つを二人で一緒に作るんだ





少し先に目をやれば、ヘリポートの灯りが見える

幸せなナイトクルージングももう終わり…





太輔の手を握り返して

パイロットに隠れて

そっとキスをした









END
2018.9.17

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作者名:MISA | 作成日時:2018年3月2日 10時

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