背中合わせの…２ ページ2
「ん…？」
気付いた所にメモを書き込みながら、暫く台本を読み込んでいたら背中にずんと重み…
「ひろ？…もしかして寝た？」
「……ん？……ねてない…。」
ふふっ、その間は何？思いっきり舌足らずになってますけど？
「眠いならベッド行きな？」
「んぅ…、たいすけはぁ…？」
「俺はもう少し…」
「じゃあ、おれもここにいるぅ…。」
ごそごそと這うように俺の前にやって来て、膝に置いた台本を俺の手ごと救い上げる
「えへへ。」
そしてそのままの体勢でごろんと膝へと潜り込んできた
「ここで寝るの？」
「ねなーい…。たいすけがおわるの、ここでまってる…」
絶対無理でしょ、もう半分寝てるし
左手の台本に目を向けたまま、右手で宏光の髪をゆっくりと撫でればすぐに寝息が聞こえてきた
「…もう寝てる。」
ドラマや舞台の経験はあっても、映画の現場はまた雰囲気が変わる
慣れない事や気を使う事もあるだろうし、やっぱり疲れてるんだ…
そっと寝顔を覗き込むめば、俺の心配をよそに穏やかな顔で微笑んでるみたい
大変でも充実してるって事かな
「頑張れよ。」
半分開きかけた唇をチョンと突くと、うーんって唸って手で遮ろうとする
丸まった姿勢で、手で顔を撫でるようなしぐさは
「んふふ。猫みてぇ。」
宏光の柔らかい髪の感触と、温かさを感じていたら、俺も段々眠くなってきた
まだむにゃむにゃ言って眠ってる宏光に呼びかけてみる
「トラさーん、そろそろベッドに行きましょうかぁ？」
2018.3.2
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作者名：MISA
| 作成日時：2018年3月2日 10時
