僕の彼女 (ページ5)

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雨の日にページ5

朝の天気予報は晴れ

だったのに…

「太輔、この後なんか予定ある？」

「いや、これで終わりだけど。」

「ニカがさ、飯食いに行かないかって。一緒にどう？」

「あー」

楽屋の隅で着替えてる恋人に、ちらりと視線をやる

「あ、みっちゃんも暇な感じ？」

「いや…」

映像が公開になったのを皮切りに、ひろの映画の仕事が忙しくなってる

皆はこれで終了なのに、ひろはこれから雑誌の取材に行くはずだ

「太輔、行って来いよ。俺に気ぃ使う事ないぞ。」

「でも…」

きっとひろも行きたいはず

なのに俺だけ行いくのはやっぱり気が引ける

「よこおさん、太輔の事お願いね。」

「了解！じゃあ、行こうか。」

俺の気持ちに気付いてるから、ひろはわざと大袈裟な笑顔で送り出してくれるんだ

「あー！雨降ってるよ、最悪…」

「俺、傘持ってるよ。」

「え、じゃあワッターの傘に入れて！」

ニカと渉が窓の外を見ながら話してる

「太輔は傘持ってんの？」

そんな二人をボーっと見てたら、ひろに話しかけられた

「あ、いや…持ってない。」

「なら、これ使えよ。」

ひろの手には小さな折り畳み傘

「最近俺、これ気に入って使ってんの。太輔に貸してやる。」

「え、でもひろが…」

「マネージャーの車で移動だし、マネージャー傘持ってるっしょ。」

「いや、だったら尚更…」

「太輔、風邪引くといけないからさ。持ってけ。」

「それはひろだって…」

「大丈夫、俺、耐水性だからっ！」

満面の笑顔でピースサインするひろ

何言ってんの…忙しくなるとすぐに体調崩すのひろの方でしょうが…

「ぶっ！耐水性って何よ。」

「みっちゃん、優しいねぇ。」

「ふ、二人ともうるせぇっ///」

んふふ、照れてる

可愛い…

「ありがと。じゃあ、これ借りるね。」

「あ？あぁ…はいっ！」

「んふふ。もしひろがぬれちゃったら…」

「ん？」

「早く帰っておいで。俺が温めてあげる。」

「…っ///…な、何言ってんだよ。」

「だって、俺、防寒性、保温性に優れてるから♪」

「………知ってる//」

顔を真っ赤にしながら、そそくさと楽屋を出てったひろ

手に残った濃いブルーの折り畳み傘

「んふふ。」

「太輔、良かったねぇ。」

「なんか見せつけられた…。」

「俺、今日は早めに帰るから。」

「「分かってます！」」

憂鬱な雨がちょっと好きになった時間

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