僕の彼女 (ページ12)

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ツイてない日は… ページ12

「はぁ…」

今日はツイてない一日だった

「どした？疲れた？」

ベッドに倒れ込んだら、ひろが優しく髪を撫でてくれる

「今日良い事全然なかった…。」

「そっか…。」

「ん…」

ひろの優しい声色と温かい掌に、涙が出そうになる

「朝からお気に入りのカップ割っちゃうし…片付けてたら遅刻しそうになって、慌てて家出たら財布忘れちゃうし…飲みたかったカフェオレ売り切れになってた…」

「うん…それから？」

「ロケで上手くコメントできなかった…帰り、渋滞にはまって帰るの遅くなった…」

口にすればするほど、今日がツイてなかったって実感する

「はぁ…」

2度目のため息をついたら、髪を撫でてた手がそっと頬に触れた

導かれる様にひろを見上げたら、チュッって優しいキス

「カップ…辛かったな。あれ、めちゃくちゃ気に入ってたもんな。」

「うん…」

「今度新しいの買いに行こう。一緒に。」

「え？」

「んで、今度は俺とお揃いにしよう。」

「お揃い？」

「うん。太輔、お揃いのカップ欲しいって言ってたじゃん。カップ割れたなら、きっとこれが良いタイミングなんだよ。」

「ひろ…」

「財布忘れたけど、お蔭で横尾さんにランチご馳走して貰えたし、カフェオレの代わりに買ったミルクティ、美味しいって言ってただろ？」

「うん。」

「お気に入りが増えたじゃん？」

「そだね…。」

「上手くできなかったコメントは絶対次の仕事の糧になるし、渋滞のお蔭でスーパーの惣菜に割引シール貼って貰えた(笑)」

「んふふ。」

「結構良い日だったんじゃないですか？藤ヶ谷さん。」

「…そう、かもね。」

今日が良い日になったのは、ひろがそうさせたからだよ…

「あれ？なんか腑に落ちない感じ？」

「…だって」

また落ち込みそうになった時、ひろが隣に寝転んでギュッと俺を抱きしめた

「んじゃ、これからイイ事してもっと良い日にしようぜ？」

挑発的に笑ってキスをするひろは、俺を誘う色気を放ち始めてる

「……んっ…ひ、ろ…」

「太輔が生きてるこの世界に、共に生きてる…それだけで俺は幸せだよ。」

「え？」

「そして運命的に出会った。それだけで俺達の人生はツキまくりだよ。そう思わない？」

そうだね。ひろが傍にいる

それだけで俺の人生は最上級にツイてるのかもしれない

でも…

今夜はもっと幸せを感じたい

「ね、もっとキスして…」

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