気がついたらeidolon 4

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集中しすぎたせいか身体の中のわずかな魔力を感じる。
大した魔力じゃないけど、ゼロよりマシだろ？
この魔力がこの国の･･･タイスケ達の役に立てればよかったのに･･･
皆無に等しいと言われただけだったもんな。
マジ違う世界に来た意味！！


そんなことを考えていると、頭の中にとある映像が流れ込んでくる。
ん？コレはどういう事だ？


あのニカがボロボロで、にも関わらず魔法を使っている映像。
いや、ニカだけじゃない。
ワタルも･･･タイスケもボロボロだ。
おい、お前この国1番の魔力量なんだろ？
なのになんでそんなにボロボロになってんだよ･･･


ワタルのそばにいるコアラが、紫の魔法陣を作り出してはタイスケ達が回復しているけど･･･
はっきり言って追いついていない。
あのコアラ･･･ミヤタだ･･･
そっかぁ、ミヤタは回復系が得意なんだなぁ。


すごい勢いで暴れているゴリラがいて。
いや、確かに凄い暴れてるんだけどさ。
なんて言うか、華麗なステップ踏んでて。
リズムに乗って攻撃してるんだけど。
やっぱりそのゴリラもボロボロで。


ものすごく綺麗な鳥･･･あぁ、あれは鳳凰だ。
なのに綺麗な羽は血まみれで。
あれがユウタなら、ゴリラはケントか･･･


みんな傷だらけで、立っているのもやっとって感じなのに。
絶対に立ち上がって向かって行くんだ。
あの竜と契約者に。


｢絶対に帰る･･･そう･･･約束したんだ･･･｣


口から血を流すタイスケが、そう言いながら立ち上がる。


｢キミみたいに、生まれた時から地位と未来が約束されてる、そんな甘ちゃんに倒されるほど弱くなくてね｣


｢王家のこと･･･知らない･･･みたいですね･･･。いくら第1王子でも･･･品格や人望･･･国を治めるその器･･･それがないと･･･いくら王族でも･･･地位も未来も･･･ないんですよ･･･｣


切れ切れに言うワタル。
喋るのもやっとなのに･･･
でもわかる、あの契約者の狙いはタイスケだ。
王家に生まれて、第1王子として育っているタイスケに向けられている殺意。


｢ふっ、それはどうだかなぁ。そんなの王家に生まれてしまえば、あとはなんとでもなるだろう｣


この人は一体なんでここまで王家やタイスケに固執してるんだ？

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