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ドアが勢いよく開かれる音と、知ってる、
でも知ってる頃より大人っぽくなった顔。
「…A」
目を開いてこいつを見つめた。これは、俺に都合のいい夢か？
「焦ちゃん！！大丈夫なの？怪我してない？
爆発の人凄かったね…、」
俺の肩に触れ、優しく覗き込む彼女。
この温度は熱は、本物だった。
「っ…!」
「……焦ちゃん？」
感極まって細い身体を抱きしめた。
細くて簡単に壊してしまいそうだ、でも腕を緩めたらまた消えていく気がして。
.
力強く抱きしめられて。
すごく痛いくらいだった。
久しぶり、だなぁ。
今日体育祭を見に来てて、倒れちゃったから心配で探してしまった。
焦ちゃんの学校の人に、幼馴染と言い、場所を聞くとここを教えてもらい、無我夢中に走って。
やっぱり、私は彼のことが_______。
「炎、出せたね！
びっくりした…。良かった。
これできっと、最高のヒーローになれるんだね」
暫くの沈黙のあと、ゆっくりと肩を離して、熱い頬のまま口を開いたら。
「…前は、ごめんな。」
「へ？」
「ずっと手当てしてくれて、…そばにいてくれてありがとうな」
.
ありがとうなんてまだ言う権利あるのかなんて知らねぇけど、謝罪なんてお前には似合わないから。
きっと、感謝の方が相応しいから。
「ありがとう」
またいつもみたいに、Aは泣いていた。
子どもみたいにしゃくりあげて。大粒のいつもの涙。でも。
「なんか、前より綺麗だな…」
「…泣いてる、のが？」
頷くと、まるで雨が上がったあとの虹みたいに、とても美しく、Aは微笑んだ。
「初めて流す、嬉し涙だからかな」
あ、どこかで見たことがあるって思ってたけど、この涙は、あれに似てたんだな。
長い雨が止んだ後、露草に露が接着して、風が吹き、
ゆっくりと涙みたいに止めようもなく、落ちていく。
あの綺麗な輝く宝石みたいな白露に。
.
白露に 風の吹きしく秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
(葉の上に落ちた白露に、しきりと風が吹く秋の野。風で落ちていく白露は、まるで1本の糸で貫き、止まっていない玉を秋の野にほおり投げたみたいだ)
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鬱ネコ(プロフ) - 璃月さん» コメントありがとうございます！リクエスト、続編の方で死柄木さんで書かせていただきました。ご不満がありましたら書き直しますのでお申し付け下さい。ありがとうございました！ (2018年12月14日 22時) (
レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - みすみさん» 競技かるた部なんですね！かっこいいです。ありがとうございます~！リク、遅くなりましたが書かせて頂きました。続編の方なので良ければ観覧お願いします。コメントありがとうございました (2018年11月26日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - Runaさん» ありがとうございます！切ない話を書きたい、って常日頃思っているので、そう言って貰えると嬉しいです。好きだなんて光栄です。続編でもよろしくお願いします！ (2018年11月9日 23時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
Runa - トガちゃんの話好きだななぁ･･･ちょっと残酷だけど、何かトガちゃんの報われない想いとか、切なくて結構好き。続編でも頑張って下さい。 (2018年11月9日 20時) (レス) id: 3e6d8cfb03 (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ステイン様続編の方で書かせていただきました！遅くなり申し訳ありません。ご不満がありましたら、書き直しを仰ってください！ (2018年11月8日 19時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鬱ネコ | 作成日時：2018年5月26日 14時
