【MHA】 百 人 一 首 【短編集】

しのぶれど【相澤消太】 ページ19

_________隠さずとも許されるまでは。



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「Aちゃんは相澤先生やろ！」


「な、何で分かるの⁈」





よくある女子トークの最中。

お茶子ちゃんの言葉に肩が跳ねる。




「よく見てるし、喋ってるときに顔真っ赤だし、恋する乙女の顔してるもの」

「梅雨ちゃんまで…！」



恥ずかしさできっと顔は真っ赤だ。

ああ、もう。
顔に出ちゃうんだよなぁ〜。


先生にも、前訓練の時に注意されて。…あれ。
これってもしかして。




「相澤先生にバレてないかな…⁉」




私が熱い頰を抑え、そう言うと、皆んなは顔を見合わせた。



「…ドンマイ、A」



お願い見捨てないで！！




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「おい、少し用があるから職員室に来い」

「は、はい！」



そんな会話をした放課後、先生に呼ばれた。

え、告白もしてないのにフラれるの？辛すぎでしょ！
先生見逃して！ごめんなさい！！



好きなことをやめることは出来ないけど。
叶うことは諦めるから。だから。


面倒臭い生徒と思わないで。

ウザいと思わないで。



「さっさとしろ」

「……はい」



嫌いにならないで。



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「この5種類のホチキスで留めて、このファイルに入れてくれ」



「はい？」


「何か用事でもあったか？」




先生の話とはただの雑用で。
気を張ってたからかドッと疲れる。

でも、先生の側に居れる嬉しさに、首を横に振り、作業に取り掛かった。




私の触った紙を、先生が触るところを見るだけで動悸がした。




駄目だよ駄目。

赤くならないで、熱くならないで、照れるな私！


これは、隠すべき恋なんだから。




「ありがとうな、A。助かった。」


「いえ。私で良ければまた是非！」




下心満載の台詞にも、"助かる"と言ってくれて胸がグアッと熱くなる。



せんせ、好き。好き！好きだ！！




「じゃあまた明日な。気をつけて帰れよ。」

「はいっ！」





気持ちが高揚しながら、学校の玄関を出る。

今日は幸せな日だ〜。




あれ？



そう言えば、なんで飯田くんとか百ちゃんじゃなくて私だったんだろ？



...

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