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「……婚約?」
「ジニヒョンが?」
騒ぎは、収まるどころか大きくなっていくばかり。
それぞれが信じられないといった顔をする。
「……う、そだ」
「…ジョングク、気持ちは分かるけど…」
「うそ、だよこんなの…」
何度、泣けばいいのだろう。
もう、涙が枯れるほどに泣いている気がする。
「…知らないフリをしよう。
何も、知らない。…そう、しよう」
ナムジュニヒョンの言葉の歯切れが悪い。
何の相談もなしに、どうして。
モヤモヤする気持ちを抑え込もうと
拳をぎゅっと握る。
…ヌナはそれで、幸せになれる?
ジニヒョンは良い人だ。
しっかりしている。
…どうして自分が代われないのだろう。
なんて考えているからなのかな、なんて。
…ずっと前から決まっていたのだろうか。
俺に、再会した時にも?
だったら、
どうしてあの時、
声が震えてたの。
期待、してしまったじゃないか。
何にも知らない俺を、まだ愛してくれてるのかなって、
思ってしまったじゃないか。
「………ヒョ、ン」
「お待たせ、ごめんな中断して」
中断したから謝るの?
どうして内容を告げてくれないの?
またそうやって、一人で抱え込むの?
どうして、どうして、どうして。
よりによって、
ヌナを奪うのが、
俺の大好きなヒョンなの?
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年10月24日 11時