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43. ページ1

「……婚約?」

「ジニヒョンが?」



騒ぎは、収まるどころか大きくなっていくばかり。

それぞれが信じられないといった顔をする。






「……う、そだ」

「…ジョングク、気持ちは分かるけど…」

「うそ、だよこんなの…」



何度、泣けばいいのだろう。
もう、涙が枯れるほどに泣いている気がする。





「…知らないフリをしよう。
何も、知らない。…そう、しよう」

ナムジュニヒョンの言葉の歯切れが悪い。




何の相談もなしに、どうして。


モヤモヤする気持ちを抑え込もうと
拳をぎゅっと握る。






…ヌナはそれで、幸せになれる?
ジニヒョンは良い人だ。
しっかりしている。


…どうして自分が代われないのだろう。
なんて考えているからなのかな、なんて。






…ずっと前から決まっていたのだろうか。
俺に、再会した時にも?





だったら、

どうしてあの時、





声が震えてたの。







期待、してしまったじゃないか。
何にも知らない俺を、まだ愛してくれてるのかなって、
思ってしまったじゃないか。







「………ヒョ、ン」

「お待たせ、ごめんな中断して」





中断したから謝るの?

どうして内容を告げてくれないの?

またそうやって、一人で抱え込むの?

どうして、どうして、どうして。






よりによって、


ヌナを奪うのが、


俺の大好きなヒョンなの?

44.→



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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年10月24日 11時

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