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ゆっくりと、目を開けると、まぶしい光が差し込んでくる。
ここは、どこだろう。
見慣れない景色に一旦戸惑った。
「……………え、A!?私のこと、わかる!?」
そばには、あわてふためいているソラ。
……………私、生きてる?
『…………………だから、ごめんって』
「心配どころじゃなかったんだからね…………もう、
アンタは心配ばっかりかけて!!!!
無事で、よかったっ…………………!」
ぎゅうっと強く抱き締められる私。
いつもなら、苦しいとクレームを入れるのだが、今はこのままがよかった。
『ごめんね』
「…………許さないから」
『ソラ、ありがとう』
「……………珍しく素直だから許してあげる」
本当、いい幼なじみを持ったと思う。
ソラには、感謝でしかないなぁ。
「じゃあ帰るからね。ちゃんと大人しくしててね」
『わかってるって、歌謡祭始まるよ?』
「むっ、じゃあね!」
とリアルタイムで防弾少年団を見たいがために、走って帰っていったソラ。
録画なのに、と思いつつもまぁ、いつものソラだ。
……………面会時間も時間だけど、少し寂しかったりもする。
『………………ソクジンさん』
勝手に彼の名前を呼んでいた。
私、バカだなぁ。
絶対叶わない、恋、しちゃったや。
「え、………………っ、Aちゃん?」
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年5月27日 12時