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「ありがとう。助かりました」
『いえ、わざわざご丁寧にありがとうございます』
数日後。
連絡して都合のいい日が重なったため、こうしてお金を返してもらえた私。
有言実行するタイプだと判明した。
………………それも、かなり。
「さっ、食べて食べて!」
『………………や、あのですね』
「大丈夫。ここ、僕の行きつけだから!」
晩御飯に、付き合うことになった。
「お礼がどうしても、したくて。ここの料理、とっても美味しいんです」
『……………………お言葉に甘えさせてもらって大丈夫なんですか?』
「はい。……それに、
Aさんと、もう少し話していたくて」
私を見つめる目が、とても優しかった。
やっぱり、似ているのかな。
名前が同じということだけで、こんなにも新しい出会いがあるなんて思わなかった。
『………………その、……私と、Aさんのこと
聞きました、メンバーさんから』
正直に打ち明ける。
少し驚いたような目で見てくるソクジンさん。
「………………少し、昔話をしても?」
月の光が反射して、輝くソクジンさんは、
どこか、悲しそうだった。
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作者名:つばき。 | 作成日時:2020年5月27日 12時