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■ ページ25
『ソクジンさん？』
"ソクジナ"
その声に、ハッとさせられ意識が戻る。
ダメだ。
重ねては、ダメなのに。
気がつけば彼女にAの影がないか、探してしまう自分がいて。
「あ………………ごめん、ボーっとしてた」
『また倒れられたら困りますよ？しっかり休息取ってくださいね。
看護師の卵からのアドバイスです』
看護師の卵。ということは、大学生なのだろうか。
「あ、待って！」
今度こそ、ちゃんと向き合いたかった。
ここで、引き留めなかったらもう一生会えないかもしれない。
そんなのは、嫌だ。
Aに似てるから、じゃなくて。
もっとAちゃんのことを知りたかったから。
僕たちの前に、現れたのは単に偶然とは思えないから。
「……………お金、返す時とか、合わせたくて。
連絡先、交換しませんか？」
今は、防弾少年団のジン、としてじゃなくて。
普通の、どこにでもいる
キムソクジンとして、だ。
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作者名：つばき。
| 作成日時：2020年5月27日 12時
