31話 ページ33
.
ゆっくりと音を立てて開く扉
電気のついてない部屋はお互いを認識するのが難しいくらいに暗い
私は絡められた指先だけを頼りにベットのほうへ移動した
少しだけ繋がれた手が引かれたと思うと
微かにベットの軋む音が聞こえたから
彼が腰掛けたのだろう
「…A。あっち向いて」
『あっち？』
よく分からないけど、
とりあえず身体を180°回転させた
―――グンッ
いきなり腕を引かれ、
暗い部屋で平衡感覚を失った身体がぐにゃりとよろめいた
『きゃっ』
倒れそうな私をすかさず彼が受け止める
「…ここ座って」
と言われて座ったのが彼の足と足の間
彼は私の腰に腕を回して抱きついている
『ち、ちかいっ』
すぐ横を振り返ろうとすれば
彼との距離が一気に縮む
思わず唇が当たってしまいそうになるくらい
「ねぇA、
いくら風邪ひいてるからって言っても
簡単にオトコの家上がっちゃだめだよ」
ちゅっと瞼の上にキスをされた
『…っぁ』
ドクドクと鳴る鼓動はたぶん彼に伝わっているだろう
顔が見えなくても熱っぽい吐息と甘い香りが
彼の存在感を放つ
『…起きてたら治らないよ』
「Aがいるから大丈夫」
なにが大丈夫なんでしょう
そろそろ心臓が持たないから離れて欲しいとか思いつつも離れて欲しくないと思う
私ってつくづく矛盾してるな…
『だめだよ寝ないと良くならn((
えっ！？、ちょっと…！』
言いかけた途中なのに
彼の手は服の中に侵入している
良くないと思い抵抗しても、
やっぱり彼の力には適わず
器用に下着を外される
「ふふっかわい」
私の反応を楽しむ彼は
熱があるせいなのか、それとも別の意味なのか
吐息が少しずつ荒くなる
ギシッと軋むベットの上に倒され
見えない彼の顔を見つめた
「A
…僕と一緒に溺れよ？」
“待って”なんて言葉は
彼の耳には届かない
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽんず(プロフ) - 更新楽しみに待ってます♪ (2019年1月11日 6時) (
レス) id: 98acc9f874 (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - ぽんずさん» 読んでいただきありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - アリスさん» もう少しでわかります( ´艸｀)面白い作品になるように頑張ります！！ありがとうございます！ (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
ぽんず(プロフ) - 続きが気になる….！！！ (2019年1月9日 7時) (レス) id: 98acc9f874 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - まだ出ていない人…そらるさんかな？うぅー続きがきになる！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年1月8日 0時) (レス) id: db92432c81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maa | 作成日時：2018年11月13日 18時
