私たちは都合がいい【まふまふ】

16話 ページ18

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『ﾊｧ……ﾊｧ…』









動悸が止まらない
手足が痺れる



見たくなかった
居ても立ってもいられなかった






あの場から離れようとして走ったからか
止まらない震えに対してか
呼吸が全く整わない





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こんなに、こんなに好きになっていたなんて









私は

彼のことが好きなんだ








どうしようもなく抑えられないくらいに
好きになってたんだ









――グンッ



突然手を引かれて後ろによろめく







「何してんの、探したで」


『…luzくん』



振り返った先にはほんのり汗ばんだluzくんがいた

きっと戻るのが遅くて心配して探しに来てくれたんだろう




luzくんは
目に涙を溜めた私を見て、顔を歪める





「…どうしたん」





心配した顔で覗き込んできた


そんな顔されても、言えない…









―――っ、



私の目は敏感になっているのかもしれない








私が出てきた建物から

彼とさっき見た女の人が出てきた








女の人は見せつけるかのように腕を絡めて
彼もそれに微笑んで応えている







やだ、もう見たくない








視線を下に落とすと
それに気づいたluzくんが反応した








握られた手に力が入り
引っ張られる








『えっ…ちょっ…luzくん！？』


「…ぁあ〜もうイライラする」







強引に引かれた手は私の力じゃ止められない





なんで怒ってるの…？







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「…さっきの男」




手を引いて歩くluzくんが口を開いた

少し怒ったような、でも焦ったような
そんな顔







「好きなんやろ、？」


『…』





足を止めて黙る私の手首を掴んだ




「なら俺が、








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俺が忘れさせてあげる」





ドンッと音と共に身体が壁に打ち付ける









私は壁に押し付けられた手首を離せず

強引に唇を奪われた




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