【実話】私が虐待されていることに気が付くまでのお話

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“あぁ、殴られたのか”

血走った目で見下ろすあの子の母親を見てそう思った。

背中が棚にぶつかってズキズキ痛んだ。

その後、あの子の母親に叫び声とも言いそうなキィキィと甲高い声で文句を言われた。

とても早口だったし叫び声のような声だったからなんて言ったのかは分からなかった。

でも、あの子がニンマリと笑いながら

「ね？言ったでしょ？私のお母さん怖いって」

と、そう言った。

正直何のことか分からなかった。そんな事言われた覚えなんてない。が。

たかが幼稚園生。話の矛盾くらいあるだろう。

当時そんな事を考えていた私はおかしかったのかもしれない。

今、日記を読んでそう思っている。

因みに私を“嫌い”だといった理由は“自分の娘より目立っていたから”だそうだ

そのまま私は転園する事になった。話によれば、あの子の母親に

「そちらの教育はどうなっているのかしら」と言われたらしい

全国でも有数の幼少期の英才教育で有名な塾に通わせ問題を間違えれば殴る

そんな教育をしていた私の母親は激怒したようで今度は有名な英才教育の幼稚園に転園した

今の私からすれば、

いうことを聞かせるために殴る私の母親も、

自分の娘より目立っていたからという理由で他の人の子供を殴る人も

どっちも頭のネジがぶっ飛んでいると思う

少し前まで“まぁ、そんなもんだよね”なんて考えていた私が今となっては少し怖い

転園後の幼稚園生活はすごく楽しかった。

家では相変わらず殴られてたけど母親がママ友を作れなかったお陰で

私が友達を作った事がママ友経由でバレることがなかったからである。

日記を読む限り当時母親は

“なんで私の教育方針を誰も共感してくれないの？”と怒っていたようだが

当たり前だと思う。あそこの幼稚園の子に私のような同類はいなかった。

殴って言うことを聞かせるなんてありえない話だったんだろう。

他の子たちは親と手をつないで貰い笑顔で帰っていく。親は子供の話に耳を傾けていた。

当時の私はそれを“いいなぁ”と書いているが“私がもっといい子のなればいいよね”とも

書いている。つまり、そうなることでほかの子のように手をつないでもらえると思っていたらしい

今、日記を読み返しているのだが、なんだか虚しい限りだ。

7歳になり私は地元の小学校に入学した

ほぼ全員がお受験する幼稚園でそれなりに頭がよかった私が受験しない事を聞いた

ほかの子たちに驚かれた。

私は受験したかったのだけど…

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