八 ページ10
庵につき、上がる前に身体についていた泥なんかを落とす。
格好は、黒い細身のジャージに何処かに行ったと思っていたお気に入りのナイキのパーカーだった。
?「学園長先生、天女さまをお連れしました」
入るがよい、とお爺さんの声がして私は庵に上がる。
『失礼します』
「うむ」
あまりの殺気にいたたまれなくて、内臓がズグンと言った。これで死を察知しない人間がいるだろうか。
いるか、私の元カレとか。
言われるままにお爺さん(学園長先生?)の前に座った。四方八方に誰かしらがいる気がして、気が気じゃ無い。
「…まず、お主の名前を教えてくれぬか」
『私の名前は若草りりこです』
「若草…歳は、16から17か?」
『えっ?』
耳を疑った。私は27歳だ。そのはずだ。
信じられない、と思い耳に手をやった。黒装束の方達が不思議そうに私を見たけど、そんなのお構いなしに耳に開いたピアスの穴とピアスの形を確かめた。
なんと私の耳には、9個のピアスの穴が開いていた。
つまり私は今17歳なのだ。
なぜ分かるかというと、16歳の時にはピアスの穴を7個、17歳の時は9個開けていた。その翌年には10個目の穴を開けている。
つまり9個の穴が開いている時期は、人生で17歳のこの1年間だけだ。
それに舌にだって二つ穴を開けている。
『…17歳です。私』
「そうか」
学園長先生は何も言わず、頷いてくれた。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時