三十五 ページ37
潮江
ヒリヒリするようなスリルを感じ、俺は頬が上がるのを抑えられなかった。
昼に食堂で天女と小松田さんが居るところにたまたま立ち会っていた伊作と食満、そして五年生の竹谷にその時の話を聞いたせいだ。
文「あの女、やるじゃねえか」
仙「私たちのことを皮肉るとはな」
七「良い度胸してるじゃないか。もしかして只者じゃないな。あの女」
文「そう思わせてるだけじゃないのか?」
そう強がってはみたものの、天女が俺たちのことを一切気にかけていなかったと言うのが気になった。
どうして小松田さんと昼を食べていたのかという疑問は置いておいて、自分を敵視しているやつが大勢いる中でそこまでの態度が取れるんだよ。
苛立ち、拳をぎりりと握りしめた。
「小松田さんと天女が仲良く昼飯を食べており、午後の仕事も二人でテキパキとこなしていた。」
という大ニュースは学園中を駆け巡り、授業の合間や休み時間のたびに、何人かの生徒が天女のことを観察しに来ていたし、挙げ句の果てには先生までもがそうしていた。
しかし、天女は一切それを気にしていないようだった。
いや、驚くことに、あいつはそんな生徒や先生たちをの行動を分かりきった様子で楽しげに相手していた。
生徒がこっそり見つめていたら、にこやかに手を振ったりピースをして、先生が密かに監視していると、そちらを見て微笑みながら会釈の一つや二つするのだ。
これには誰もが度肝を抜かれた。
もはや恐怖すら覚えるのを、誰でも見て見ぬ振りは出来ないだろう。
「何なんだよ。あいつは」
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まる(プロフ) - いおらんさん» ありがとうございます!コメントとても嬉しくて励みになります! (2019年8月2日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
いおらん(プロフ) - とても話が好みで楽しく読ませてもらってます(^^)更新頑張ってください! (2019年8月2日 12時) (レス) id: 60ac9a4c80 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 桜ノ夢さん» ありがとうございます!初めての作品なのでとても緊張しながら書いているのでとても嬉しいです。タイトルについてはこれからのストーリーをお楽しみにしていてください! (2018年11月18日 19時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
桜ノ夢 - まるさん!この作品とても面白いですね!私、これ読んだ後、「ふぅ〜面白かった…な…え!?何この題名!?夢主消えるの!?」って思いましたから← (2018年11月13日 22時) (レス) id: 3556d0a5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2018年11月13日 21時