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土井
昼休みを過ぎた頃に昼食をとろうと食堂に向かっていると、小松田くんが食堂の方から一人で歩いてくるのが見えた。
小「あ、土井先生、こんにちは」
土「やぁ、小松田くん。一人かい？あ、そのー…」
言うのを渋っている私を察したらしく、小松田くんは「りりこちゃんですか？」と聞いてきた。
小「りりこちゃんは図書館に用事があるらしく、一人で行っちゃいました」
土「そうなのか」
ほっ、とため息をついた。ん？何でだ？
何故か自分の行為に後ろめたさを感じ、あわてて小松田くんに話をふった。
土「こ、小松田くんは天女と仲が良いんだな。今日も楽しそうに話していたし」
小「はいっ、仲良しなんです」
土「午前、たまたま君たちが箒を持ちながらはしゃいでいるのを見かけたんだ。珍しいな、と思ってね」
小「そうですかぁ？あ、でもたしかに、ここで友達って初めて出来たかもしれないです」
土「そう、か…」
そうだ、小松田くんは…
なんだか、下手に取り繕いながら聞き出そうとしている自分が狡く感じた。小松田くんは正直に真っ向から私と普通に話してくれているのに、私は、情報を聞き出すことしか考えていなかったな。
土「あー、単刀直入に聞くけど、あの時君たちは何を話していたんだ？」
ただのおしゃべりをするかのように聞くと、小松田くんもそれに応えて
小「落ち葉を、一度に集める方法を一緒に考えてたんです。
僕、考え事って苦手だし勉強みたいなのも出来ないんですけど、なんでかりりこちゃんと考えたら、分からないことも答えがあるようで、楽しいんですよ」
とペラペラ喋ってくれた。
そのイキイキとした表情には、新しい学びを身につけた生徒たちとまるで同じ物を感じて、忘れかけていた純粋さを思い出せた気がした。
私は、足元が見えていなかったんだな。
私が相手すべきなのは、大切な生徒たちで、教えたいことは沢山あったじゃないか。
この小松田くんのような、学びを得る喜びを。
天女、いや、若草りりこ。
アイツは只者じゃない。
何の下心も無く、純粋に彼女は己の学びしか見ていないんだな。こんな奇異な状況にあるというのに。
何だよ、そうだったのかよ。
ここ最近感じることのなかった心の風通しの良さを感じ、私は笑みを堪えることが出来なかった。
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Ashlee(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年5月1日 15時) (
レス) @page11 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
秋冬(プロフ) - えｯｯｯ途中で終わり…なんですか…。とてもいい作品で面白かったです！ (2021年9月25日 9時) (レス) id: 1ebc893394 (このIDを非表示/違反報告)
947(プロフ) - すっごく面白いです！これからも頑張ってください！ (2020年3月26日 2時) (レス) id: ef0a8212f8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - まるごとぶどうさん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう更新頑張ります！ (2019年8月7日 6時) (レス) id: 3f7caaff83 (このIDを非表示/違反報告)
まるごとぶどう - 続編おめでとうございます！ 前作から楽しく拝見させてもらっています。これからどんな風になるのか楽しみにしています！無理せずがんばってください！ (2019年8月6日 18時) (レス) id: 188b9ce26d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2019年8月5日 23時
