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Aもそれを見て目を見開いて驚いている。
『なんなの、あれ……』
太「これは、人外の類いだね……」
中「手前、腕が……」
太宰の片方の腕はなくなっていた。
太「中也、A、死ぬ前に聞いて欲しいことが……」
『い、いや…貴方まで私の前からいなくならないで!』
中「手前がこんなところで_________」
太「ばあ!」
太宰は手品のようになくなった腕を出した。
『は?』
中也とAは太宰の嘘にまんまとはめられた。
太「怪我のみで戦場にでるなら、これくらいの仕込みは当然だよ」
中「手品してる暇があんならあの悪夢どうにかする作戦考えろ!」
Aも珍しく青筋をたてている。
太「無理無理、諦めて死のう。Aと一緒に死ねるなら本望だよ
それにもう残った手は一つしかないね」
太宰の考えが判ったのか、中也は汗をかく。
中「まさか……”汚濁”をやる気か?」
太「……私達二人が双黒なんて呼ばれだしたのは、一晩で敵対組織を建物ごと壊滅させた日からだ
但し、私のサポートが遅れれば中也が死ぬ。選択は任せるよ」
中「選択は任せるだと?手前がそれを云う時はな、いつだって他に選択肢なんかねえんだよ」
『中也……』
Aが心配そうに中也を呼び止める。
中「大丈夫だ、すぐ終わらせる」
中也はAに帽子を預け、背を向けた。
『死んだらただじゃおかないわよ、これ、上司命令だから』
中「わーってるよ、手前残して死ぬわけねえ
まだ手前からの返事も聞いてねえしな」
Aは中也のその言葉に胸がドキドキするのを感じた。
『(なに、これ……心臓が苦しい……)』
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時