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122. ページ36

Aと紅葉が探偵社を出ようとした時、姐さんは入口のところで一度立ち止まった。



紅「太宰、本当にいいのかえ?」



太「もちろんだよ、役立たずの捕虜を置いていても、世話代が嵩むだけだ」



紅「云ってくれるのお



……太宰、鏡花を頼んだ」



太「任せなよ姐さん」



紅「A、行こうかえ」



『はい』



太「A、ちょっと待って」



太宰は懐から一枚の手紙を差し出した。



太「これ、うちの社長からそちらさんにむけての招待状だ



渡しといてくれるかな?」



『私を配達員か何かと勘違いしていない?



まあいいわ、首領に渡しておきます』



Aはポケットに手紙をなおした。



『じゃ、今度こそ失礼しますね



お騒がせしました、次はちゃんとした人員で襲撃にくるのでご安心を』



それだけ云って紅葉を連れてAは出て行った。



外に停めてある車に姐さんが乗ったのを確認し、本部に戻っていく。



紅「しかし主がわっちを迎えにくるとは思わなんだなあ


どういう風の吹き回しじゃ?」



『そんな、私は首領の命令通りに動いているだけですよ』



紅「それはそれで寂しいものがあるのお


昔のお主はもっと可愛げがあったのじゃがなあ」



『ご冗談を、私は昔からこんな感じでしたよ』



紅「そういえば主、最近中也とはどうなのじゃ?」



『はい?』



紅「その様子じゃまだのようじゃな


お主はいずれ大事な感情に気付くじゃろうな」



『はあ……?』



Aは紅葉の言葉の意味がいまいち理解出来ずにいた。

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時

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