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Aと紅葉が探偵社を出ようとした時、姐さんは入口のところで一度立ち止まった。
紅「太宰、本当にいいのかえ?」
太「もちろんだよ、役立たずの捕虜を置いていても、世話代が嵩むだけだ」
紅「云ってくれるのお
……太宰、鏡花を頼んだ」
太「任せなよ姐さん」
紅「A、行こうかえ」
『はい』
太「A、ちょっと待って」
太宰は懐から一枚の手紙を差し出した。
太「これ、うちの社長からそちらさんにむけての招待状だ
渡しといてくれるかな?」
『私を配達員か何かと勘違いしていない?
まあいいわ、首領に渡しておきます』
Aはポケットに手紙をなおした。
『じゃ、今度こそ失礼しますね
お騒がせしました、次はちゃんとした人員で襲撃にくるのでご安心を』
それだけ云って紅葉を連れてAは出て行った。
外に停めてある車に姐さんが乗ったのを確認し、本部に戻っていく。
紅「しかし主がわっちを迎えにくるとは思わなんだなあ
どういう風の吹き回しじゃ?」
『そんな、私は首領の命令通りに動いているだけですよ』
紅「それはそれで寂しいものがあるのお
昔のお主はもっと可愛げがあったのじゃがなあ」
『ご冗談を、私は昔からこんな感じでしたよ』
紅「そういえば主、最近中也とはどうなのじゃ?」
『はい?』
紅「その様子じゃまだのようじゃな
お主はいずれ大事な感情に気付くじゃろうな」
『はあ……?』
Aは紅葉の言葉の意味がいまいち理解出来ずにいた。
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時