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廃炉線のトンネルを抜けると、中也が車の中で待っていた。
『お待たせ、帰りましょうか』
車を発進させ、本部に戻る。
中「Qの事云ったのか?」
『忠告しただけですよ
まあ信じるか信じないかはあの方次第ですが
あ、そうだ中也、少し行きたい処があるの』
中「あ?どこだよ」
Aは悲しげな表情で中也に目的地を告げた。
中也は何も云わずにそこに向かった。
そして目的の場所に辿り着く。
中也には車の中で待っているよう伝えた。
Aは森の中のようなところに入っていく。
その道中で、綺麗な花を見つけ、それを一輪持って目的の場所に向かった。
森の中を歩いていると、一つの廃墟と化した屋敷を見つけた。
Aはその屋敷の前で立ち止まる。
『久しぶりだね__________織田作』
そう。ここは織田作が敵の長との交戦中に命を落とした場所。
『最後にここに来たのは貴方がこの世を去って一年後の今頃だったかしら……』
Aは手に持っていた花を屋敷の入口にそっと置く。
『ごめんなさい、花束を買う時間がなくてね……
この花はね、カンパニュラっていう花なの、私の目と同じ紫色をしているでしょう?
……知ってる?カンパニュラの花言葉はね、”後悔”なんだって
私にぴったりの花だと思わない?
織田作が死んだ後、ずっと後悔してた。貴方に酷い事をした……
きっと太宰も私を心のどこかで怨んでる……
ごめんね……織田作………
過去に戻れるなら、貴方ともう一度話しがしたかったわ……
じゃあ、そろそろ帰るわね。またいつか来るから……』
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年6月3日 22時