嘘だらけの世界【文スト】

４８． ページ49

タイムリミットまで後５分＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






ゴ「やぁ先生！もうすぐ下半身とお別れだけど、感想は？」







人質のいる部屋に戻ってきたゴーゴリは、誘拐した斗南司法次官を目の前にしている。







斗「巫山戯るな秘書……否、《天人五衰》





仮令この身が両断されようと、父と私が築きし国家司法機関が必ず貴様を滅ぼす」







ゴ「それでこそ司法省の王！





ふむ……半年世話になった恩で特別に貴方だけは助けよう！」







斗「！？」







すると斗南の腰に巻き付けられていた鎖鋸が外された。








ゴ「これで救援を呼ぶといい」







そう言いながらゴーゴリは斗南に携帯端末を差し出した。







斗「舐めるな下郎。……貴様の顔は憶えた。





必ず捕まえる」






斗南がそう告げると、ゴーゴリの瞳が微かに揺らぐ。そして僅かな沈黙の後＿＿＿＿＿







ゴ「貴方が羨ましい」







斗「……？」







ゴ「鳥籠で生まれた鳥は己が囚人だと気付かない。






己が不自由だと知らず、檻の中で幸福に死ぬ」







斗「何を……云っている？」






ゴーゴリの細く長い指が自分の額を指さす。







ゴ「見えないだろう？檻はここ、「頭蓋骨」だよ







僕たちは出られない……この温かく湿った地獄から」







【「コノ 温カク湿ツタ地獄から」＿＿＿＿ト、彼ハ 云ヒタリ】

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