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民家を出た後、少女は貧民街に戻ってきていた。





理由は簡単。行く場所が無いからだ。





親に棄てられた子の末路は言わずもがな、皆ここへ集まるか、その辺で野垂れ死ぬかの二択だ。





少女は風の当たらない、民家と民家の間の小さなスペースに入り込み、そこで小さく蹲る。





ふと、横目に見ると、そこには何故か未使用の染髪剤が落ちていた。





少女はそれを手に取り、上から落ちてきたのだろうかと目線を上にやる。





しかしそこには窓一つ見当たらない。





どうやら唯の落とし物のようだ。どうせ、そこらの連中が食い物じゃないなら要らないと云って棄てたのだろう。盗んで手に入れた癖に傲慢な奴等だ。





少女は長く艶やかな自分の白にも近い金髪を見た。





そして少女は、染髪剤の袋を取出し、それを髪に付けた。





少女の奇麗で明るい色の金髪は、真っ黒の髪へと染まった。





傍に落ちている硝子の破片をとって自分の姿を確認する。





それはもう別人のようだった。





破片を投げ捨て、少女は一人溜息をつく。





これからどうしようか。生きるためには盗むしか道はないのか……





そう考えていると、少女の視界に人影が入った。





「おや?こんな寂れた場所にこんな可愛らしい少女がいるとは、驚いたね」





少女はその白衣を着た男をにらみ付けた。





「君、私と一緒に来なさい。なぁに、私はただの町医者だよ。警戒しなくていい」





男が手を差し出す。少女はその手を恐る恐る手に取る。





「私はこの横浜で医者をしている、森鴎外という。君は?」





『……A……永瀬A』





男が信用できないAは咄嗟に嘘を吐く。嗚呼、結局私も嘘つきなんだ。





森「ではAちゃん、行こうか」





Aは鴎外に手を引かれていった。





手袋越しでもよく分かる。男の手は冷たかった。

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猫好き - ドス君最高!!やっぱり最高( ̄▽ ̄)bグッ (2019年1月10日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - ん〜地方にもよるかも知れませんが、ロシアンティーはジャムを舐めながら、お茶を飲むのが一般的ですよ。 (2018年9月17日 2時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» 構いませんよ!楽しみにしています! (2018年8月31日 8時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
ほるむ(プロフ) - 紫陽花さん» はい、ありがたき幸せです!外見はできるだけ設定に沿わせたいのですが、大した画力がないので保証は出来なくなってしまいますがお許しください…。 (2018年8月31日 8時) (レス) id: e99fd65880 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» ありがとうございます!お願いしてもよろしいでしょうか? (2018年8月31日 7時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月23日 18時

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