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それからまた一日が経った。
夏目によって拘束は外されたままだが、相変わらず監視は厳しく逃げ出すことは出来ない。
否、違うな________”逃げ出す気になれない”んだった________
椅子に座り、何も起こらない日々を過ごす。
武装探偵社の国木田が不意に話しかけてくる。
国「お前、腹は減っていないのか。
ここに来てから何も食べていないだろう」
Aは無言で微動だにせず、ただ白い壁を見つめていた。
その壁を見つめる横顔に、国木田は思わず見とれてしまう。
国「……違う道があったんじゃないのか」
国木田のその言葉に、初めてAが反応した。
『私の、何を知っているというのですか』
冷たく、たがどこか悲しげな言葉に国木田は目を背けず答える。
国「何も知らない。俺はお前じゃない。ドストエフスキーもお前じゃない。
お前以外の人間が、お前の心を読み取ることなんて不可能なことだ」
『……何が云いたい』
国「お前は、ドストエフスキーが全てと云ったな。
だが、奴は恐らく、弱ったお前の心に入り込み、お前を利用していただけなんじゃないのか
お前はそれを__________」
『黙れ!!』
国「!」
『それ以上、何も云うな……』
国木田は声をあげて叫んだAに一瞬驚いたが、直ぐに冷静になる。
国「……判った。何か食い物を持ってきてやる。
大人しくしておけよ」
国木田は苦しそうな表情をするAを見て、眉をしかめながら部屋を出た。
『フェーヂャが私に嘘を吐いている……
フッ……そんなこと___________
最初から知っている________』
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猫好き - ドス君最高!!やっぱり最高( ̄▽ ̄)bグッ (2019年1月10日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - ん〜地方にもよるかも知れませんが、ロシアンティーはジャムを舐めながら、お茶を飲むのが一般的ですよ。 (2018年9月17日 2時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» 構いませんよ!楽しみにしています! (2018年8月31日 8時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
ほるむ(プロフ) - 紫陽花さん» はい、ありがたき幸せです!外見はできるだけ設定に沿わせたいのですが、大した画力がないので保証は出来なくなってしまいますがお許しください…。 (2018年8月31日 8時) (レス) id: e99fd65880 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» ありがとうございます!お願いしてもよろしいでしょうか? (2018年8月31日 7時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月23日 18時