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拠点に帰ると、フョードルはポートマフィアの船から奪ったと思われる資料を読んでいた。
『外に出たのって、その紙切れを手に入れる為だったわけ?』
フョ「とても貴重なものですよ。
ポートマフィアの異能者リスト……首領の異能まで明確に記されている」
欲しいものが手に入った無邪気な子供のような声色で云う。
フョ「Aさん、少しこちらへ」
Aは言われた通り、フョードルの傍による。
その時、徐に腕を掴まれ、フョードルを正面から抱きつくかのような体勢になる。
『……酒臭い』
フョードルの艶やかな髪から微かに香るアルコールの匂いが、鼻をくすぐった。
フョ「少しお酒をかけられてしまいまして。
そう云う貴方こそ、他の男の匂いがしますね」
『貴方は犬か何かなわけ?』
嫌みたらしく云うと、フョードルは小さく笑みをこぼす。
フョ「それはそうと、貴方にこれを差し上げますよ」
フョードルの手には小さな宝石が沢山あった。
Aはそれを手にすると、地面に叩きつけ宝石を粉々に粉砕した。
フョ「気に入りませんでしたか?」
『こんな汚い宝石、手にすることも厭になる。
それに……宝石なら今目の前にあるもので充分よ』
Aはフョードルの頬を両手で包み込むようにしてフョードルの怪しく光る紫水晶のような瞳を見つめる。
フョ「ぼくも同じです。目の前の緑に輝く宝石が眩しすぎましてね。
奪いたくなるほど美しい……」
二人はしばらく、お互いの瞳を見つめ合っていた。
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猫好き - ドス君最高!!やっぱり最高( ̄▽ ̄)bグッ (2019年1月10日 1時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ - ん〜地方にもよるかも知れませんが、ロシアンティーはジャムを舐めながら、お茶を飲むのが一般的ですよ。 (2018年9月17日 2時) (レス) id: dd9eae3b3c (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» 構いませんよ!楽しみにしています! (2018年8月31日 8時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
ほるむ(プロフ) - 紫陽花さん» はい、ありがたき幸せです!外見はできるだけ設定に沿わせたいのですが、大した画力がないので保証は出来なくなってしまいますがお許しください…。 (2018年8月31日 8時) (レス) id: e99fd65880 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - ほるむさん» ありがとうございます!お願いしてもよろしいでしょうか? (2018年8月31日 7時) (レス) id: a94eac29fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月23日 18時