鬼の秘書 四【文豪ストレイドックス】

１４４． ページ9

それから首領室の前まで到着し、扉を叩く。



『首領、赤瀬です』



中から返事が来て扉を開け中に入る。



『失礼します』



森「赤瀬君、無事でよかったよ」



『ご心配おかけして申し訳ございませんでした』



森「中原君から連絡があったときは本当に驚いたよ



君が瀕死の重傷だなんて初めてのことだからねえ



もう傷は大丈夫なのかい？」




『はい、優秀な医者に治してもらい、もう躰は新品同様です』



森「それはよかった、では今日からまた通常の仕事に戻れるわけだね？」



『はい、問題ありません』



森「では組合の監視を君にはお願いしたい」



『監視ですか』



森「恐らく組合はこれから人虎の捕獲により力を入れてくるだろう



探偵社はもう既に戦いにむけて行動している



そこで、我々に被害が及ばないよう双方の監視をお願いしたい、やってくれるね？」




首領の命令は絶対だ。逆らうことなどできない。




『はい、仰せの通りに』



森「監視の方法は君に任せるよ」



『わかりました、ではこれで失礼します』



Aは首領室を後にし、どのように監視するか作戦を考えていた。



『監視カメラは……太宰に見つかってしまうわね



なら変装して近づく……？いや、嘘はあの名探偵に見破られる……』



Aは歩きながらぶつぶつ独り言のように言っている。



『……無難だけど、盗聴器が一番手っ取り早いわね


盗聴器をつけても気付かない者は……やっぱり彼しかいないわね



却説、そうと決まれば早速……』



Aはポケットに盗聴器を入れて変装して出かけることにした。

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