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194,生まれ代わり ページ4

「んっ…?」

せまっ!?何この空間!?

「さっきまでいた場所…だよね?」

確実に先程までいた空間に違いは無かった、自分は安心する暖かさのある液体に包まれ浮いている。違うのは明らかにその空間が狭まっていることだ。両膝を抱えるように眠ってたため、体をぐっと伸ばそうとしてやっと気づいた
ここは、先程とは違って手を伸ばす所か首も少し曲げてやっと収まる空間へと変わっていた

「壁も、変わらない」

少し手を動かせば届く壁、触った感触は変わらない。本当に、サイズ以外は何もかも同じだった

「これ、私。押し潰されたりしないよね」

もしかして、だけど。徐々に狭くなってたりしないのこの空間?このまま閉じ込められてプレスされて終わりとか笑えない

「出なきゃ、ここから」

どうやって?先程のように探し回る空間も無いのに?
とにかく、なんとかしなくてはの精神で目を動かす、すると、体に巻き付いた何かが目に入った

「…やっぱり、引き抜く?」

さっきはダメなような気がしたけど、今はそれどころじゃない。というか、さっきまではこんな空間に閉じ込められたのによく眠ろうなんて思えたな…なんて能天気なんだ。と、我ながらあきれてしまった

これ、引き抜くのは躊躇ってしまうけど
引っ張るくらいならしてもいいかな?

そう思い意を決してえいっと何かを手繰り寄せる、すると壁から光が漏れだした

「外?誰かいる?」

試しに声を出してみる、が。液体の中で声がでるわけもなく、むしろこの中で私が生きているのはおかしいということに気づいてしまう

くるしい。当たり前だ、人間は水中では息ができない。気づけば気づくほど空間に違和感を覚えその空間での私が崩壊していく

苦しい、息ができない。助けて

その瞬間、この狭い空間の壁に白い刻印が現れた。術式だ、それがじわりじわりと壁全体に刻み込まれた瞬間に光を放った


* * * * * *

「そ…と?」

見慣れた私の部屋だ
その部屋の床に私は倒れていた、回りには何かの破片が沢山転がっていて。そして
振り向くと、壊れた何か楕円のようなものを抱き締めたままその目を見開いて此方を見つめる鬱先輩の姿

「Aちゃん…」
「先輩、何ですかそれ?」
「へっ!?これ?これな…Aちゃんがさっきまではいっとったんやで」
「???」
「やっと殻を破って出て来てくれたんやで」

愛しそうに壊れた機械と私を交互に見つめる先輩に

「私、鳥じゃ無いんですけど」

頓珍漢な答えを返すので精一杯だった

195,つまり、どういうこと→←193,死者の檻



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りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです!天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(?)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…?お金払わせてェ! (5月31日 0時) (レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます! (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね!!うん!!でも続編かきたいね!!勘違いやわ!! (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜空音 | 作成日時:2018年10月12日 0時

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