210，鳥籠 ページ21
「っ！？」
「グルッペン！！」
「声が、聞こえなくなった…？」
「ほんまか！？」
「あぁ、それに。体も軽い」
「なんやねん、騒がせな奴」
「あぁ…すまない」
だが、何故だ？何故か。何か足りない
いや、足りなくはないが
今にもどこかに、行きそうな
私の大切な何かを失いそうな感覚
体調を崩す前に感じた、虫の知らせという奴、
またその感覚に陥った
「トントン、Aは何処にいるんだ」
「？それなら、オスマンとショッピ君が呼びに行ったやろ？」
「本当か？」
「？」
「呼びに、行ったんだな？ここに、くるんやな？」
それは、本能なんて存在しない私のような存在が初めて感じた、本能に訴えかける恐怖だった
「トントンっ！！屋敷中を探せ！！全てだ！
いない、何処にもいない！！」
「は？」
「Aの気配が無い！」
「無いったって、そないに焦ることちゃうやろ？いままでやって、誰かしらがAを屋敷の外に連れ出したりしてたやんけ」
「違う、そうじゃないんだ！！」
自分が思考する前に声にでている、頭より先に何をしなくてはいけないかがわかる
わかってしまう
何故かはわからないのに、わかる
嫌な予感とは当たるものだ
殆ど反射的に飛び起きてガラスに自分の顔を反射させる、そして自分の真っ赤な、傷なんてないはずの舌を恐る恐る確認した
「ぐ、グルさん…それ」
それは、舌に刻まれた呪い
焼き印のようにグロテスクな鳥籠の紋様は
禁忌とされた魂を繋ぐ呪いを示していた
「誰や、誰とそんなもん。いくらグルッペンやとしても、大天使として見逃せない、天法会議にかける」
「違う」
「何がや、そんなにはっきりついとるのに」
「あぁ、あぁ！嗚呼！！わかった、わかったぞトントン！！！素晴らしい！！！！これだ…全て、全て謎が解けた」
「は？」
「私とAを繋いでいたのは、私達が結んだ仮契約等では無かったんだ！呪いだ、トントン！！いつ刻まれたのかはさっぱりだが、これでわかった！！そうか、そうだったのか。あのときも、今も！！原因はこれか！！！」
狂ったように笑いだした私を、大切な同胞(とも)がひきつった表情で見守っている
だが、ほんとうにいつだ？いつからだ？
私とA、いつから仕組まれていた？？
いつから、誰の掌で踊らされていたと言うのだ！
「あぁ、同胞、トントンよ！もうすぐ終わりが来る！」
「なにがそんなにおもろいんや」
「我々の敵に、我々が何であるか。今一度教える時がきたぞ」
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りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです！天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(？)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…？お金払わせてェ！ (5月31日 0時) (
レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます！ (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね！！うん！！でも続編かきたいね！！勘違いやわ！！ (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年10月12日 0時
