205，同胞(とも)の為に ページ16
「連絡がつかへんって、どういうことや」
「そのままの意味やって！俺の直属の天使達派遣したけど誰も見つけられへんかったって」
「アホかなんでやねん」
「俺やって聞きたいわ！」
「魔王が倒れたんやぞ！危機的状況なんやから、神達にはここに帰って来てもらわなアカンねん！」
「まぁまぁ、トントンもオスマンも落ち着いてよ」
結局、兄さん達と連絡は未だにつかなかった
それどころか、グルッペンはあのあともコネシマとショッピ君の魔力で回復を続けなければ度々体調を崩しては倒れるようになった
グルッペン自身の体は異常が有るわけでは無く、ただグルッペンの魂に何かしら良からぬ干渉が起こり続けている、という事実だけがわかった
「トントン、お前まで冷静でいられなくてどうする」
「冷静？いられへんわこんな状況で、アンタ腐っても魔王やで？しかも大きな戦いの後！！狙われとるかもしれへん、アンタが使命果たせんかったら誰が代わりにやるんや？」
「わかってる、だから手は動かしているだろ」
「ベッドに態々持ってきてやってるんやで！時間の無駄や！」
「俺の心配はしてくれないのか？」
「するか！そんなんでくたばるくらいならもっと早くにおさらばじゃ！」
「意外と心配してくれてるんだな…」
なんやねん、人が心配してるのを笑って誤魔化しよってこいつ。オスマンもひとらんも笑って見てる場合ちゃうやろ
「トントン、俺らもちゃんとグルッペンのこと心配だから」
「せや、だからトントンばっかりピリピリしないでほしいめう」
二人の困ったような優しい表情、そしてその瞳に映った自分が余りにも酷い顔をしていたのに気づいた。思ったより、この魔王が友人として大切だということに気づいてしまい思わずため息がでた
「グルッペンもこんな状況で、神もおらん状況で一番トップなのは俺やったわ。ごめんな、取り乱して」
「大丈夫っすよトントンさん」
「せやでトントン！俺らもグルッペンの体調回復の為に頑張るで！せやから、元気だし？」
「アホか、俺は元から元気や」
コネシマの豪快な笑いがグルッペンの部屋に響く、とうの本人であるグルッペンも楽しそうに笑っている、全く、何を焦っていたのかわからなくなってしまった
「オスマン、Aのこと呼んできてや、あいつもスプリングやし役にたつかもしれん」
「おっけー、任せろめう〜！」
部屋は和やかな空気に満たされた
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りと - 一気に全部読んでしまいました…世界観の複雑さに何度か頭を悩ませましたが、色々考察出来て楽しかったです！天使、悪魔、人間、そして神…いずれも人間という概念に縛られて自分を見失いながら生きて(？)いる…。え、これ無料で読んで良かったん…？お金払わせてェ！ (5月31日 0時) (
レス) @page42 id: 3c068a4e58 (このIDを非表示/違反報告)
1103(プロフ) - とても楽しく拝読させていただきました。ありがとうございます！ (2022年9月23日 1時) (レス) @page42 id: d3023c1d20 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ランキングにはのってないね！！うん！！でも続編かきたいね！！勘違いやわ！！ (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ありがたい事に、この話。未だランキング乗り続けているんですよね…シリーズ全体的に。いつか、続編というか、主人公ちゃんが人外になってからの話を書くのも、いいかもしれませんね (2020年3月9日 2時) (レス) id: 8b85c6a757 (このIDを非表示/違反報告)
夜空音 - ちゃっかり新シリーズ出てますので、よろしければご贔屓に… (2019年10月6日 18時) (レス) id: da4b35a571 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜空音 | 作成日時：2018年10月12日 0時
