【wrwrd！】魔王様拾いました 5【人外パロ】

？？？？？？ ページ12

全ては計算通りだった
あと少しで、天界も魔界も全て支配できる

あのときから始まっていた
旧政府に『大天使』として選ばれた時から、
全ては始まっていた
暴力的な前魔王は余りにも操りやすく、無能な官僚達は操りやすかった
あのとき、天界の地位を捨てたのもわざとだ
逃げ出すように、影に隠れて戦火逃れた
若く未来ある魔王、グルッペン
そして有能な大天使トントン
アイツらが引き連れた反乱分子は、武力を行使する事なく確実に、旧政府を蝕み
そしていつの間にかトップへと君臨した
けれど、それさえシナリオだ
それでいい
今の安定した天界と魔界を
再度、自分のモノにしたい
完璧に自分のモノにするために必要な工程は済ませてある

沢山の術式をとある人間に埋め込んだ
世界を平和に繋ぎ止めるスプリング
その価値は計り知れない、

今の政府を揺るがす為に何が必要か

グルッペン自身を、
スプリングに繋ぎ止めればいい
術式を沢山、沢山埋め込み育てたことにより
だんだんと不幸に陥ったスプリングがいる
今では、一人寂しく暮らしている女だ
昔から幸せだった筈の彼女は優しくて前向きに今を生きている

「そんな君に、プレゼント」

禁忌とされた魂を繋ぐ呪い
片方はグルッペンに、片方は君にあげよう

二人の魂は引かれ会うように出会う
そして、スプリングを欲しているグルッペンはすぐにでも仮契約を結ぶだろう
そうすればもう、離れる事は出来ない
契約の名のもとに、結ばれて
いずれ一つになる

『グルッペン！』

足を滑らせ境界へ落ちる、哀れな悪魔が一人




しかし、
残念なことに計画はあらぬ方向に動いた

神の介入

恐らく、呪いにも術式にも気づかれてしまった
でも、神は此方に過干渉はできない
そのせいで、起こってしまったイレギュラー

「死者の檻」

せっかく育てたスプリング、今はあの中で眠っている、母親の胎内のような暖かさ、微睡みと微かに聞こえる外の音。
あれは本来、死人の魂を閉じ込めて次に生まれるまで眠りに落とす装置だ
今までの複雑に編み込んだ術式は、殆ど効力を檻に組み替えられてしまった

彼女に編まれた術式は姿を変え一つのとある術式に変わっていた
魂の循環、本来大地が背負う何よりも重い役目
魔力の多さを利用して魂を循環させているが
それもいつまでもつか

それに、呪いは永遠に続く

これは、私が手を下さなくてもいずれ
魔王とスプリング、あの二人が自滅する可能性のが高い

あと少し、この物語をここから楽しもう

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