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そのままお互い無言で、家に入る
景「A、なんか元気ない?
疲れてるのにごめんね、お迎え」
あまり酔っていない様子の彼
心配そうに私を見つめ、抱きしめてこようとするから
「…やだ」
景「え?」
思わず拒否してしまう
そんな香りつけてきて、私に触らないでよ
「景瑚、今日女の人といたの?」
景「え、…うん、女の上司もいたよ」
「すごい女物の香水の匂いだからさ、
ちょっと嫌だよさすがに」
景「うん、たしかに…ごめん。
隣に座ってた上司の、かも、その…うん」
車の中から今までずっともやもやを我慢していた私は
彼のその話しにくそうな感じも
なんとなく言い訳のように聞こえる感じも
女と会った後に迎えに来させられてることにも
すべてが気に障ってしまう
「…もう、言い訳にしか聞こえないよ
仕事の付き合いもあると思うけど、
なんか、ごめんイライラしちゃってる今」
お風呂行ってくるね
そう言って一人になる
なんで、
こんなに素直になれないんだろう
女の人って綺麗な人?景瑚のこと好きなんじゃないの?
何人で行ったの?まさか二人?
景瑚かっこいいんだからさ、心配させないでよ、
…不安だよ、
すべては自分に自信がないから。
手早くシャワーを浴びて、濡れた髪のまま部屋に戻る
景「また不安にさせちゃった、Aのこと」
髪をタオルドライしている私の目の前に立つ景瑚
景「俺が逆の立場でも同じ気持ちになる
ごめん。
だからもう、飲み会とか行かないから、」
…俺のこと嫌いにならないで、
さっき着ていたスーツを脱ぎ、
部屋着に着替えた彼が
そっと私を抱きしめる
「私が、素直になれなかっただけ
景瑚は悪くないよ…私もごめんね」
景「…また言い訳に聞こえちゃうかもだけど、聞いて?」
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作者名:Lynn | 作成日時:2021年10月24日 1時