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長年(?)の経験から知っている。怒った彼は非常に面倒臭い。
殺せんせーに教室を出されてから渋々彼を探すこと5分ほど。
校舎の屋根、緩やかな傾斜の上で寝そべる姿を見つけた。
側にあった木を伝って何とか上に登った私の姿を、彼は閉じていた瞳を僅かに開いて一瞬のうちに確認し、再度瞳を閉じた。
何も言わなければこちらを見ようともしない、彼の横に座り込み上から見下ろしたまま私からも声を掛けずにいると数分が過ぎてしまった。
風に時折吹かれる赤髪を見つめる。
久々に彼を見た気がする。
前はあれだけ一緒にいたにも関わらず、久々に。
ふと思い浮かぶのは床に雑に散らばった生徒手帳とネクタイピン。嘲る声と怯える悲鳴。悲しそうな優しい友人と見慣れた背中。
「 …ずっと黙ってるけど、なんなの 」
突然彼の瞼が開き、唇が動いた。
先程よりは鋭さは無くなっているものの怪訝な色を浮かべた瞳がこちらを見つめる。
「 …カルマくん、久しぶり 」
怪訝さが増した。
そりゃそうだろう。
「 さっき俺がそう言ったら殴ったくせに、平然と言うわけ？ 」
「 …腹立ったからね 」
「 はぁ？間違った言葉じゃないでしょ 」
「 間違ってないから腹立つんだよ 」
カルマくんは眉を顰める。
それに対して私は肩を竦める。
「 …なんで連絡断つかな 」
小さく呟いた私の言葉に、カルマくんは細めていた目を大きく見開いた。
カルマくんは、彼自身が停学を食らってから、私との連絡一切断ち切った。
いくら此方から連絡をしても家に行っても彼は私と顔を合わせることはしなかった。
それにも関わらず今日、彼は平然と笑顔を見せてくる。
それが私は不満だったのだ。
「 …A 」
彼の声音が柔らかくなる。
それどころか少し愉快そうな色が加わった。
「 −−−なぁんだ。拗ねてただけか 」
愉快そうに目尻が釣り上がる。
反対に私の眉は顰められる。
「 なにそれ、馬鹿にしてるの 」
「 馬鹿にはしてないよ。可愛いなぁと思っただけ 」
「 っ、ふざけないで！ 」
カッとなって手を振り上げるもいつの間にか起き上がった彼に手を掴まれる。
そして引き寄せられると見事に彼の腕の中に収まってしまう。
急激に縮まった距離に思わず顔に熱が集まった。
それを知ってか知らずか、いや知ってるだろうけど。
私の背中をポンポンとあやすように、且、逃げないようにする彼は、おもちゃを見つけた猫の様な目をした。
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奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
