4 ページ5
.
「 え、嘘… 」
流石の殺せんせーも、最近起こった出来事を忘れていないだろう。
彼女の手も、きっと注意深く観察したはずだ。
それなのに先生は、あのときを彷彿とさせるような傷つき方をした。
その事実にクラスの殆どが唖然とした表情を浮かべる。
だけどそんな中、彼女はそれ以上の攻撃を加えず、へらへらと笑った。
「 暗殺するクラスなら、これが1番の挨拶でしょ？ 」
首を傾げ悪戯に笑う彼女はきっとクラスから一目置かれたであろう。
カルマくんが先にダメージを与えたとはいえ、第2号、しかも女子だ。
「 …これは驚きました。注視して何も持ってないのを確認したはずなんですが 」
「 持ってはいないよ。対先生用BB弾を粉々に砕いてハンドクリームに混ぜたの。鼻が良いって聞いたし嗅覚的にも騙せるようにと思って 」
「 なるほど…。策略家ですねぇ 」
「 でももう少しダメージを与えられると思ったんだけどなぁ。握ったらその触手もぎ取れるかと考えてたけど流石に威力は弱まるか 」
ニヤニヤとした表情を復活させた殺せんせーに対しAちゃんは肩を竦める。
サラッと恐ろしい単語が出てきたのは無視しておこう。
「 それでこそこのクラスに相応しい！歓迎しますよ、渡辺さん！ 」
今度は顔にマルを浮かべる殺せんせー。
それに対してAちゃんは人の良い笑みを浮かべて話している。
どうやら殺せんせーが彼女の席を教えたらしくそちらを振り向いた。
彼女の席、奥田さんの後ろでカルマくんの隣。
彼女はそれを認めて自席へ歩いていく。
茅野が隣の席で頬杖をつきながら僕に話しかける。
「 そういえば、さっき言いかけた言葉なんだったの？ 」
「 え？ 」
「 ほら、それと、って言ってたじゃん 」
そう言われて数分前の自分の言動を考える。
そしてあぁ、と呟いた。
「 うんと、カルマくんと仲良かったんだ 」
「 カルマくんと？ 」
「 そうそう、いつも一緒にいるくらい 」
Aちゃんが自席へ辿り着き、それにカルマくんが何か話しかけた。
彼女はそれに答えるようにニコッと笑い
−−−彼の頬を思い切り平手打ちした。
「 …え？ 」
パチンと教室中に響く良い音がして１つ間を置いてクラスの殆どが呆けたような顔をする。
「 …あれ、仲良いんだよね？ 」
茅野が首を傾げるのに僕は何も返せない。
思い違いじゃない、よね？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 652人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
