言霊の幸わう国3 ページ13
「そ、そんなことできるか！？」
「別段、特別なことではありません。跳ね馬さんも、大切な方なら言葉だけでなく行動からも相手を理解しようとするでしょう？それが、日本人は少し顕著なだけ」
そして、なぜ日本人が言葉にはっきりとしないのか、その謎こそこの言霊にある。
「日本では古来より、言葉には力が宿ると信じられてきました。それが、言霊。言葉に出せば、良いことも悪いことも、その通りになる、というものです」
「……言葉が、その通りに？」
「そう。雨が降りそうと言えば、雨が降る。私あの人と結婚したいと言えば、そうなる」
「で、でも、そんなこと」
「ええ。実際には百発百中とは言えないでしょう」
それを、百発百中にしてしまうのが、私達言霊遣いだ。
「私の言葉には、力が宿ります」
「言霊、か？」
「ええ。私が力を込めれば、その通りになる」
「そんな、まさか」
「そんなことが、あるんです」
呆然と、私を見つめる彼。やっぱり、面白い人。
「……跳ね馬さんは、日本語には詳しいですか？」
「え、あぁ……それなりに」
「ジョウロ、という道具はご存知ですか？」
「あの、花に水をやる……」
「そうです。その言葉に漢字があることは？」
「え、カタカナじゃないのか！？」
目を丸くして驚く跳ね馬さん。面白いくらいに反応してくださる方だ。
私は彼の隣へと移動して、人差し指に力を込める。
「え、おい」
「見てて」
【如雨露】
彼にも見えるように、少し高い位置の空中に、文字を書いた。
「文字が、浮かび上がって」
「これが、ジョウロ。少しずつ、雨のように注ぐ露」
「……キレイ、だな」
「そう。言葉って本来はとっても綺麗。そして、貴方は今、一つ知った」
「……知った」
「私達言霊遣いは、こう言った言葉を組み合わせて、力を使う。そのために、私たちはいろいろな言葉を知っている」
綺麗な言葉も、汚い言葉も、全て知った。そうして、一つ一つの言葉を組み合わせて、術式に変換して言葉を放つ。
「少しは、信じれましたか？」
「……あぁ」
「なら、よかった。私は仕事に戻ります。屋上は強化してありますが、程々に」
屋上に3人を残して、私は応接室へと帰った。さぁ、これで、屋上の破損を少しは防げればいいけど。
階段を降りたところで、上からものすごい音。
「……難しい、かな」
まぁ、請求書は全て跳ね馬さんにいくわけだから、どれだけ破壊されようが私は構わないんだけどね。
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本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - スラズさん» はい！死ぬ気で待ってます！！ (2021年12月23日 13時) (
レス) id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
スラズ(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» コメント有難うございます！続きもぼちぼちと更新していきたいとは思っております。時間が出来れば……、気長に待っていただければと思います！ (2021年12月23日 11時) (レス) id: b12501c204 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 続きが凄く気になります！！！更新待ってます🥺 (2021年12月23日 8時) (レス) @page17 id: 6f7b9e6ac6 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - みみさん» 遅くなり申し訳ないです；ですよね！好きな人には全部捧げたい……！！有難うございます、これからも更新頑張りますね！ (2021年9月30日 17時) (レス) @page16 id: b12501c204 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ずっと更新待ってました♪私も雲雀に全部差捧げたいです笑 次の更新も待っています (2021年9月30日 13時) (レス) @page17 id: e89250ca17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スラズ
| 作成日時：2021年7月24日 21時
