は〜ち ページ8
翌日の放課後。
「ごめんなさい鷹見くん、今日も少し用事があって……すぐ終わるので、門のとこで待っといて貰えます〜？」
「いいよ、行ってらっしゃい」
軽く手を振るとAは柔らかい笑顔を残してその場を去った。靴を履き替えたホークスは、何も言わずにAの後を着いて行く。
(体育館裏……ねぇ)
反対方向に昨日のクラスメイトらがコソコソとしているのが見えた他、告白すると言っていた男の子がAに花束を差し出しているのを見た。
学制で花束って、ませてるなぁ。と思いながらも気付かれないように覗き込むのを止め、会話を聞くことだけに集中する。
「えーっと……ずっと見てました、好きです、付き合ってください」
──甘糸さんはあんな男、選ばないだろう。
そんな思い込みをしながらも、ホークスはAがどう言った返事をするのか、気になってもいた。
(あれ、俺、なんでここに来たんだっけ)
「お気持ちは嬉しいです。でもね、私もう決めてたんです。
人のこと能力とか体とかでしか見ない人なんかと付き合わないって」
その言葉を聞いた男の子は絶望した表情になり、「昨日の……」と口から言葉がこぼれる。
「ごめんなさい、大っ嫌いです」
まるで恋愛映画のラストシーンのような爽やかな風が吹く。
ホークスは2人がどんな顔をしているのか分からなかった。それでも、何故か「よかった」と思ってしまうのだ。
「あれ、鷹見くん何してるんですか？」
「ん？喉乾いたから水を買いに。甘糸さんこそ用事は済んだのー？」
近くにあった自動販売機から水を取り出しながらそう言葉を交わす。
いつもの癖のように、ペットボトルを口元に持っていきながらへらりと笑う。
「はい、終わりましたよ〜！帰りましょ〜」
門を出て、いつもの狭い歩道を歩いていく。
「鷹見くん、実は私告白されたんですよ〜」
自慢げなAは舌を出して「断りましたけどね」と悪戯な笑みを見せた。
「へぇー、お相手は？」
「有名な人です、そこそこ人気の。名前は知りませんが」
知っている事なのにまるで知らなかったように「へぇ、凄いね」とホークスは驚いてみせた。
「全然すごくないですよ。本当にすごい人は自分の想い人に告白されるんです。まぁ、勇気だけは立派だと思いますが……」
ふふ、と小さく笑うA。
「どうしたの？」
ホークスが尋ねると、Aは、
「私、そんな軽い女ではないので」
まるで全てを見透かしているように、目を細めて笑った。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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