さんじゅうに〜 ページ32
それから数十分、食べ物を買ったり射的や金魚すくいなどをして遊びながら、Aはたこ焼きを頬張っていた。
「んふふ、なんかこうして歩いてるだけで楽しいです」
「けっこー遊んだと思うけどねー」
呆れるように笑うホークスの両手には、数匹の金魚や射的の景品、くじ引きの特賞の大きなぬいぐるみなどがぶら下がってあった。
「ごめんなさいね、啓悟くん。食べ終わったらまた私が持ちますから……はい」
Aがホークスの口元へ1つのたこ焼きを差し出す。
「……あ、ありがとう」
少し遅れて口にして「美味しいですよね、たこ焼き」と最後の一口をAも口にした。
ホークスはなんとも言えない顔でたこ焼きを頬張っていると、いきなりAが指を指す。
「あ！わたあめです！！いよいよ見えました！！」
Aが目を輝かせながら駆け足で屋台へよっていく。
「いらっしゃいお嬢ちゃん」
「わたあめ2つ下さい！」
はいよ！と120円を受け取りながら屋台のおじさんはわたあめを作り始める。
「綿菓子は好きかい？」
くるくるとわたあめが絡まり、出来上がっていく様子を見ながら「とても！」と答える。
「そうかいそうかい。……はい、綿菓子2つね」
目を輝かせたまま2つのわたあめを受け取る。後から荷物を持ったホークスがついてくると、おじさんは何かに気づいたようにニカッと笑った。
「彼氏さんと秋祭り、楽しんでね！」
どうしてこうも年配の方は、男女2人がいるとすぐに付き合っていると勘違いするのだろうか。
ホークスはかける言葉が見つからず、困ったようにAの方を見る。
「……そんなんじゃ、ないですけど」
ボソリ、と呟く。
「はい！楽しんできますね！」
満面の笑みを浮かべながら、ホークスの手を掴んでその場を離れる。少し人混みから外れた木陰に生き、ホークスの手から荷物を取り上げた。
「ここならゆっくりお話し出来ますよ〜」
荷物を木の根元に立てかけ、Aはわたあめをホークスに手渡す。
「ありがとう、あ、お金返さないと……」
「いいですよ、それくらい。あ、そうだ、本当に西の人は綿菓子って言うんですね」
わたあめを1口、口に入れ嬉しそうに頬を上げる。
「ん〜！甘い！私、生まれてから10年くらいは東京に住んでて、それから転々と色んなところに引っ越して今いる九州に落ち着いたので……わたあめ、って言っちゃうんですよ」
そんな他愛もない会話に、ホークスが口を出そうとした時、「あのぉ」と声が聞こえた。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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