にじゅうは〜ち ページ28
***
「いや〜ありましたね、無理してた時代」
コーヒーを淹れるAは面白がって昔のことを話していたが、一方でホークスは椅子に座って顔を伏せていた。
「なんか凄い面目ないというか……うん」
「まぁまぁ、落ち込まないでくださいよ〜。
あの時頑張れたから下半期にはヒーロービルボードのトップ10に入れて、今の注目度があるんですから」
「でも正直、Aみたいに俺は20位くらいでいたかったからなぁ」
ついさっき買ったばかりの砂糖を少しいれながら、Aは首を小さく傾げる。
「そうですか？より上にいる方がヒーロー社会まるっと変えられる気もしますけど？」
ソーサーの上にコーヒーカップを置き、そのまま机に突っ伏すホークスの元へ置く。カチャリという音がすれば、気づいたようにホークスは顔を上げた。
「うーん、あんまり目立ちすぎると俺のやりたいことが堂々と出来ないっていうのもあるし。
それに……」
「それに？」
1度Aと目を合わせた後、少し逸らしながらコーヒーカップに手をつける。
「……Aと近い順位の方が、なんとなく、嬉しかったから」
別に意味は無いけど。
そう付け加えながら、ニシシと笑う。Aはあっけに取られたような顔になりながら椅子に座った。
「啓悟くんって、そんなことも言うんですね」
「……キャラと違うって？」
ううん、とAは否定する。
「私は嬉しいよ、ありがとう」
目を細めて頬杖を付きながら、薄らと笑う。どことなく怖い時のAの雰囲気に近い顔であったが、今日の瞳には温かみが残っていた。
家でしばらく談笑し、ヒーロー活動に戻った2人。特に大きな騒動はなく、小さな事件解決に勤しんでいた。
日が落ちてAは事務所から家に帰ろうとしていた時だった。
「あのさ、A」
ホークスは呼び止めて、ポケットに突っ込んでいた1枚のビラをAに渡した。くしゃくしゃになったビラを開いてみると、そこには大きな文字で「秋祭り」と書いてあった。
「そのー……なに、今までお互い忙しかったりとか、なんか、そういうので言ったこと無かったし……学生の頃にさ、約束してたじゃん」
頭を掻きながら照れくさそうに言葉を続けるホークスに、またAはあっけに取られる。
「……わたあめ、お祭りのやつをさ、一緒に食べに行かない？」
ホークス自身は気づいていなかったが、顔が紅潮しているようだった。Aは「驚きましたよ」と、小さく呟く。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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