にじゅうい〜ち ページ21
それにしても、とダブルベッドで横になりながら天井を見上げる。
(……どういう経緯で今俺はここにいるのかなぁ、ほんとうになんにも思い出せない)
冷静に考えてみると、Aの勢いに乗せられて部屋で伸びをしているが、ベッドに寝転がり続けるだけではどうにも体がじっとしてくれない。
『あ！もちろん、絶対に外に出ないでくださいね！約束ですよ〜！！』
(外、ってことは、部屋の中ならいいよね)
重い体を引きずるようにしてベッドから出て、部屋の外に出る。
(いや、でも人の家を……しかも女性の家を勝手に捜索していいものなのか？うーん)
とりあえずリビングへ向かう。まぁ誰もいないよな、とぐるりと当たりを見渡すと、部屋の隅の方に水槽が置いてあるのが見えた。
ぶくぶくと酸素が湧き出ていて、1mほどある水槽に数匹の魚が泳いでいた。
ホークスは膝を折ってゆったりと泳ぐ熱帯魚を見つめる。
(魚飼ってるんだ、世話とか大変そうなのにすごいなぁ)
「それはディスカスだね。可愛いんだけど病弱で、集団で飼うといじめとか起きるんだよ」
「！？」
突然後ろから聞こえた声に驚いて距離をとる。Aと同じ、桃色の髪をした長身の男の人は軽く手を挙げて敵意がないことを示した。
「あぁ、驚かせちゃった？ごめんね〜。僕はAの2つ上の兄だよ」
「お、お兄さん？」
「嘘だと思ってる？んじゃ、Aのスリーサイズでも教えようか？」
「結構です」
ははは！と陽気に腹を抱えて笑う兄は少しAとはまた違った柔らかさを持っていた。
「あ、そっちの地面の方でコケをつついてるのはボルケーノオトシシって言ってね、水槽のお掃除屋さんなんだ。あとネオンテトラとかもいてね、どれも飼育が難しい魚なんだ」
ペラペラと口を動かす兄にホークスは何も言えないまま立ち続ける。
その様子に気づいた兄はホークスに向き直した。
「ごめんね！僕けっこう喋り癖があってさ。ささ、座って座って」
リビングの椅子を引いてホークスを誘導させた後、お構い無しにキッチンへと足を運んでいく。
「僕の好きな紅茶買っててくれてるかなー」とゴソゴソと戸棚を漁る兄を見ていたホークスは、恐る恐る声をかける。
「あのー、お名前は……？」
「ん？あぁ……適当に呼んでよ。お、あったあった」
話題をそらすように紅茶のセットを取り出してお湯を沸かし始める。
何故彼は名前を教えてくれなかったのか、ホークスが疑問に思っていると兄の方から声をかけた。
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桜芽杏(プロフ) - えだまめさん» ひぇ〜嬉しい……！！ありがとうございます！！実はガチの趣味で書いていた物をその場のノリで載せ始めたので、こうして好きと思われて読んでくださることにとても喜びを感じます……！クライマックスも近いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい！！ (2020年4月18日 18時) (
レス) id: 4e2ed4ed51 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめ(プロフ) - 好き…………好きです…………ちょっと不器用なホークスも可愛いのにカッコイイ夢主も雰囲気が独特なお兄さんもそれぞれを表現している桜芽杏さんの透明感のある文章も全て好きです応援しています…… (2020年4月17日 21時) (レス) id: 4f7195255d (このIDを非表示/違反報告)
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