三昧 ページ3
「なんだ、これ」
不気味がったイレイザーはペラリと、一枚のタオルをめくった。
その瞬間、二人は息を呑んだ。そこにいたのは、白く輝く薄い髪と白い肌を持った赤ん坊の姿だった。
二人は警察のサイレンの音が聞こえるまで、その赤ん坊を覗き込んだ姿勢のまま動くことが出来なかった。
「……捨て子、じゃねぇよな」
マイクが重たい口を開ける。イレイザーは持っていたタオルから静かに手を離しながら、何かに気づいた様子のマイクの言葉に静かに答える。
「この赤黒い血、さっきの怪物がいた付近にもあった血の色と同じだ」
「……問題は、この子は一体誰の子か、だ」
そう言うと、タオルごとゆっくりと赤子の手を抱え込み、マイクの方を向いた。
「とりあえず、あいつらと赤子について警察と話に行くぞ」
「ああ、分かった」
二人はやけに難しい表情をして路地裏を出た。眠気は、すでに消えていた。
その夜、赤子は警察に引渡した後に近くの産婦人科の病院に運ばれたらしい。二匹の怪物は、警察の質問に黙秘したまま収容所に入れられた。警察官は、黙秘されたと言うより言葉を理解されていないような気がしていた。
イレイザーとマイクは、あの日から一日経った頃に再度警察署に呼ばれていた。
「──てことがあってね。とりあえず理解してもらえたかな」
中年の警察官が、二匹の怪物のデータを机に広げながら話を進めていた。
「彼らはいくつかの個性をもっていてね。それも奇妙なことに、様々な人の遺伝子が二人から発見されたんだってさ。まぁ、僕もよく理解出来てないんだけどね」
ハハハとお気楽そうに笑う警官に、マイクは一枚の紙を見つめながら問いかけた。
「あのー……赤子の方は？」
その資料に載っていたのは二人が拾った赤子の情報。それも撮ってすぐ貼り付けたような顔写真と、性別は女、「個性:複合型」という情報以外不明とされている、なんの情報もない一枚の資料だった。
「ああ、その子は無事保護されたよ。おそらく近くの孤児院に引き取られて、里親が見つかるのを待つんだろうね。心配してくれて彼女もきっと喜んでいるよ」
中年の警察官はしわを作って優しく笑っていた。しかし、二人に安堵の表情が戻ることは無かった。
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紫苑(プロフ) - うわああああ待って涙で前が見えないけどブラインドタッチィ―！うっうっ、涙腺が、涙腺が崩壊するたしけて (2月28日 17時) (
レス) @page47 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
ただのらぁめん - 夜に読んでボロ泣きしました､､最ッッッ高でした (2023年4月2日 0時) (レス) @page47 id: 2cf0465f68 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - 涙が止まらない素晴らしい作品でした（ ; ; ） (2023年3月1日 13時) (レス) @page45 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - マイクパパｯｯｯｳｩｯｯ号泣。。素晴らしい物語に感化されました。ありがとうございました。。 (2022年12月13日 0時) (レス) @page47 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
化け猫 - 涙が止まらないｯ!素敵な作品を作って下さりありがとうございます!生きてて良かったと思いました!(T^T) (2022年9月27日 16時) (レス) @page47 id: 7ab55173a1 (このIDを非表示/違反報告)
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