煙草の煙と苺ミルク

土曜日 ページ15

2月の3週目


楽しさそうに笑っている2人の女の子達がうつっているストーリー
指でそれを押さえ暫く見つめる

「いい加減慣れないとやっていけないよA」

自分はこんな事で弱る人間じゃないと自分に言いつけながら上にスワイプしてインスタを閉じる




私は3人組の友達グループに属している
いわゆるイツメンってやつ

でもなんでなんだろう
最近は私抜きで2人で遊ぶ事が多いみたい



学校で会っている時は普通
3人で馬鹿して笑い合うだけ
本当に楽しい



だけど時々ふと思う
本当にこの人達と私は友達なのだろうか
こういうことは普通なのかな
私の考え方がおかしいのかな

遊びに誘われないと悲しいと感じるのは
除け者にされていると感じるのは
私だけなのかな


自分抜きで2人が楽しんでいる事がわかった瞬間
さっきまでは綺麗だなと思いながら見ていた夕焼けも段々と暗くなっていく空も
全てが虚しく感じれてくる


痛い
心が
痛い


これがまだ1回目や2回目だったらまだ大丈夫
でもそうではないという事実が余計に心を痛ませる
もはや数えるのも疲れた



「この間は2人でお泊まり2連チャンとかしてたな...」
その時は流石に一言物申したくて
なんで誘ってくれなかったのかと聞いた
結果ひどくなっただけだけど

悪びれた様子もなく「A忙しいかと思ったから誘わなかったの」と言われた
思わず二度見してしまった
その前日にこの週末なにもする事がなくて暇だと2人に話したのは私の夢の中の出来事だったのだろうかと暫く考え込んでしまったくらいだ



その前も同じような事があって
誘われなかった側の気持ちも考えてと、
真面目なトーンで話すことはできなかったから
わざと冗談めかして笑いながら言った

そしたら
「私は別に気にしないけど？」


気にしないんだ
私がやっぱりおかしいのかな
もう考えるのも疲れたちゃった


都合がいい時だけ
どちらかが休んだ時だけ
課題の答えがわからない時だけ
寄ってくる人たち




自分がめんどくさい人間であることは理解している
感情にすぐ支配されてしまうのが私の悪い所っていうのもわかっている
深く考えすぎて一人で勝手に傷つくタイプの人間



みんないなくなればいい
みんな消えればいい
いや、私が消えたい
全てから逃げたい
と考えながら携帯の液晶に落ちた水をぼやけた目で見つめる







私は弱い人間だ

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