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今回の失踪事件。
まずは、全員で調査することになった。

要するに、PC使ってネット上のあらゆる情報をかき集めて探すってこと。

私はこれが死ぬほど苦手。
自室にこもって延々とパソコンと見つめ合うなんて、どっかのゲーム実況者じゃないんだから。

_________カチャ

『ん?だれ…』

部屋の扉が開く音が聞こえて、振り返ろうとしたときすぐに視界を奪われた。
気配なんてなかった。

『えっ!?なっ…』

少しもがくと今度は口元を塞がれる。
(アジト)なので、完全油断モード。
逃れようとするが、なかなか難しい。

「ちょっと暴れんな。俺だよ」

耳元で小さく聞こえた声は、キヨくんのものだった。

『へ、キヨくん?どしたの?』

私の抵抗が無くなり、すぐ目と口元の手を離してくれた。
頭の中では、彼なら私に気づかれることなく近付くことも容易かったんだろうな、なんて振り返る。

キヨ「…暇だから」

ちょっとむくれた様な表情になって机の横にあるベッドに腰掛けた。

『今は情報集めでしょ?部屋戻りなよ』

優しく微笑みかけながら諭すように声をかける。

キヨ「…だっておもしろくないし。」

少し下にある目線から私を見上げて言うキヨくん。
不覚にもかわいいと思ってしまった。

『そ、そうだけど。必要なことでしょ?』

キヨ「やだ。ここにいるもん」

そういって私のベッドの脇にあったくまのぬいぐるみを抱きかかえ、横になった。

なにこれ、かわいいんだけど。

『もう。私だって苦手なのにやってるんだから』

そう文句は言いながらもPCに向かってまたマウスを動かし始めた。

キヨ「…A〜?」

また私の名前を呼んでくるキヨくん。

『なに?邪魔しないでよね』

キヨ「嫌ならしなくていいんだよ。こっちおいで?」

キヨくんは甘ったるい声でそう言い、座って腕を大きく広げて待っている。

首傾げちゃって…あざといんだから

『そう言ったら他の女の子は来てくれるんだろうね』

子どもの頃からこんなやつと一緒にいるとこんなのはもう慣れっこ。
そんな誘いには乗りませんよーだ。

キヨ「くっそー。Aなら余裕だと思ってたのになぁ。」

悔しそうな顔になるキヨくん。

『ほら自分の仕事してきな?』

キヨ「はぁい」

素直に返事をしてベッドから立ち上がる。

そのまま私の頭を「Aも頑張ってな」と言いながら数回撫でてから部屋を出ていった。

頭を撫でられたおかげで、少し気分が良くなった私は少しやる気が出た。

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あちゃ - 楽しく拝見してます!リクエストみたいになるんですが、主人公ちゃんが捕まっておくすり(ヤバいやつ)打たれてくすり漬けにされ4人が助けに来てお薬抜けるまでそれぞれが苦しい思いをしながら日々を過ごす的なのを見てみたいです!これからも楽しみに待ってます! (2021年2月15日 0時) (レス) id: dabe64fc32 (このIDを非表示/違反報告)
ユウリ@Twitterやってます(プロフ) - こういうマフィア系でTOP4のお話あまりないので、ついつい見入っちゃいました!!とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年3月15日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠奈** | 作成日時:2018年9月10日 1時

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