【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ42)

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92☆高貴なる者ページ42

Aはふぶき姫とジバニャンのアークを取り出した。

「召喚！」

螺旋状の光る文字。地面に浮き上がる太陽の紋章。
光に包まれて姿を現した妖怪を見て、須賀は息を飲む。

「本当は、こうなるのか……。これが……」

本当の正義……。

そのときAの後ろで、アキノリが叫んだ。

「降臨、幻獣・朱雀!!」

「え？」

Aが振り向くと、アキノリが手にしている妖怪ウォッチアニマスで、一体の幻獣を召喚している。

「朱雀、参上!!」

その神々しい見た目にAは目を見開いた。

「高貴なる者よ……そなたに、我の力を貸してやろう」

美しい翼と綺麗な瞳、そして優しい声にAが見とれていると、アキノリが言う。

「A！オレも援護するよ！」

「……ありがとう！」

ふぶき姫が、その冷たい吐息で円錐形の氷の柱を作り出し、ジバニャンがそれを敵に向かって投げた。

敵がそれをよけて油断していたところへ、
朱雀が急降下する。

「くっ……連携プレーなんて、卑怯だろ！」

仮面を投げ捨てた勝に、アキノリが言った。

「何が卑怯だ！
お前なんかに妖怪ウォッチを使われてたまるか!!」

そして、ふぶき姫の吐息で、今度は
敵そのものを凍らせて動きを封じると、

「飛天烈風翼!!」

朱雀の必殺技……切り裂く竜巻で、
とどめをさした。

　

　

　

　

　

　

勝の妖怪は姿を消し、その足元に、
粉々に砕けた仮面だけが残っている。

「こ、子どもに負けた……。
オレの人生、負けっぱなし……」

勝は地面に膝から崩れ落ち、うなだれた。

そのとき、

「ヨワイアクニ、ヨウカイウォッチハモッタイナイ」

どこからか姿を現したバグが、
勝から妖怪ウォッチを奪い取る。

「そ、そんなぁ……！」

バグにすがりつく勝を見て、アキノリが叫んだ。

「A！この怪人もやっつけて、
妖怪ウォッチを取りあげよーぜ！」

「うん！」

Aはうなずき、バグに駆け寄ったが、

「ソウハサセナイ……」

「うわぁぁぁ！まぶしい!!」

バグはいきなり閃光を発し、その場にいた全員が目をつむっている間に、姿を消してしまった。

「ハデスみたく、ビカビカしやがった……」

「う、うん……」

また逃げられてしまった……。