【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ41)

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91☆君がやるしかページ41

須賀はAの妖怪ウォッチを手首につけると、勝をキッと睨みつけた。

「お前が犯人か！」

「あわ、あわわわ……」

大人だからなのか、勝はさっきとは打って変わって
おびえきっている。

「どんな原理か知らないけど……鍵のキャラクターが、実体になるんだよな……えっと……妖怪？」

須賀はAのアークの中から、

「よーし!!」

うんがい三面鏡のアークを選ぶと、
それを妖怪ウォッチに差し込んだ。

しかし、

「ぐぅぅぅぅぅ……」

なにやら様子がおかしい。

光る螺旋状の文字は途切れ、

いつもなら出現する太陽の紋章が、
このときは微塵も現れなかった。

「な、なんだ？なんでちゃんと実体にならない？」

須賀がアークを抜き、再びそれを差し込もうとしたとき、

「正義が足りないからだ……」

あの人の声がした。

「誰だ!?」

須賀が振り返ると、そこにただならぬオーラを放つ
その人物は立っていた。

「カイラ!?」

Aが叫ぶと、アキノリは驚いてAを見る。

「A、知り合いだったのか？」

Aが返事をするより先に、
カイラが須賀に向かって言った。

「その妖怪ウォッチは、正しい心、悪い心、
いずれかの強いパワーがいる」

「そ、そんなバカな。私にだって、
強い正義の心があるはずだ！」

「思い込みと結果は違う。残酷なまでにな」

須賀がうなだれて、アキノリは叫んだ。

「やっぱりAがやるしかねーぜ！
須賀さん！」

「し、しかし……」

その様子を見ていた勝が、今がチャンスとばかりに、
駅を指差して妖怪に命令した。

「妖怪たち！早く駅を!!」

須賀は、悔しそうな顔をしてうつむいたままだったが、

「く、くぅぅぅ……」

やがて、心苦しそうに妖怪ウォッチとアークを
Aに返した。

「須賀さん……」

「た、頼む……君が……戦ってくれ！」

須賀に頭を下げられ、
Aは救われたようにうなずいた。

「はい！」

勝は仮面をつけたまま、その奥の目でAを睨みつけた。少しおびえているのか、手が震えている。

「や、やるのか……子どものくせに……」

Aは妖怪ウォッチを手首につけると、
改めてアークを取り出し、叫んだ。

「行くよ!!」