72☆偉い人 ページ22
ここは望月超常現象研究所「LUNA」。
Aは、学校が終わったあとや、
休みの日にここを手伝っている。
「最近……ほんとに、調査依頼が減ってるんだよね。
日美子さん、そろそろピンチって言ってたなぁ」
強い日差しに照らされる研究所を見上げて、
Aが言った。
Dr.ハデスの悪の妖怪ウォッチ。
この妖怪ウォッチによって、数々の事件が発生していた。
そして、そのすべてをAは……、
秘密裏に解決してきた。
そのため……LUNAは調査依頼を解明できず、
どの仕事も中途半端。
これでは新しい依頼が減るのも当たり前。
「だけど、妖怪どうしの戦いに、
所長たちを巻き込めないしなぁ」
Aは悩ましい顔でため息をつく。
と、不意に声をかけられ、
Aはビクッと肩を震わせた。
「君?」
「はい?」
何事かと振り向くと、
そこに見知らぬ男性が立っている。
30代くらいの若い男性。
スーツのジャケットを腕にかけ、
腕まくりをしたYシャツにネクタイをピンでとめ、
四角くたたまれたハンカチで
額の汗を拭いていた。
ぱっと見、普通のサラリーマン……いや、
どちらかというと公務員のように見える。
「ここはLUNAかな?」
と男性は目の前の建物を指さした。
「ええ、そうですけど……」
「ありがとう。よし……」
男性は、研究所の中へと入っていった。
「誰だろう……立派な感じの人だったけど。
依頼人かなぁ?」
とAは首を傾げて、
あとから研究所に入る。
Aの予感は的中。
男性は依頼人だった。
「内閣超常現象対策班!?
カウンターガイスト調査官、
カウンターガイストとは?」
所長は心底驚いたように目を見開き、
男性からもらった名刺を見つめた。
男性は出された麦茶を一口飲み、
所長の質問に答えた。
「仮面の幽霊事件……、
とある事件の発生によって結成された、
政府の捜査機関です」
「せ、政府の……。
それがボクたちに依頼?」
所長は戸惑いながら言葉を飲む。
「ええ。あくまでも
イレギュラーの依頼ではありますが……。
私は政府の、
超常現象調査担当として来たのです」
「そ、そ、そんな偉い人が
どうしてウチなんかに!?」
所長がおそるおそる男性を見ると、
男性……須賀は、苦笑して答えた。
「私は偉くなんてありません。
一番下っ端ですよ」
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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年7月30日 19時