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66☆きっと助けるから ページ16

アキノリの後ろから覗き込んだナツメも目を見開く。







「ほ、本当だ……う、嘘でしょ……!?」





呆気にとられていた4人だが、
Aの姿を見てハッとした。





「Aさんが危ない……!」




「待て、トウマ」





制止されたトウマが、
アキノリが指差した方を見ると、





Aの手元に妖怪ウォッチらしきものがある。
もう片方の手にはアークも握っていた。





「まさか……Aさん」






 


 


 



 


 


Aがポケットから取り出したのは、あの日、ゲームセンターに来た邦子からもらったアークだった。






「小さい頃、大切な友だちにもらったんだ」





伸也はそう言っていたらしい。




Aは一度目を閉じ、深呼吸する。




伸也さん……きっとあなたを助けるから、
私がこのアークを持つことを許してください。





「召喚!」





Aは思いを込めてアークを差し込み、まわした。





例によって床に太陽の紋章が現れる。





先生はその光景に驚いた。





「な、なんですかあれは……!?
ワタクシの妖怪ウォッチからはあんなもの……」






ほどなくして、その妖怪は姿を現した。






それは雪のように真っ白な……犬?






今まで見てきた妖怪たちと違ってのほほんとした雰囲気のそれに、Aは戸惑いながらもこう言う。





「説明してるヒマないんですけど、
とにかく助けて!!」






「……ん?俺?」





その妖怪……コマさんはのんきに、
先生の本棚に、犬のように放尿している。







「わ、ワタクシの本棚に何をするんですか!?」






このままじゃ戦いにならない。
Aはなんとか戦ってくれないかと試みた。





「お願いコマさん!





伸也さんを助けたいの!」





「……」





心なしか、コマさんの耳が
ピクッと動いたように見えた。






「そうか……まだ俺のアークを……」






「……?」






ぶつぶつ言っているコマさんに
Aと先生が首を傾げると、






「まかせろ」






そう言って、コマさんはAの目を見た。






「!」






人魂のようなものが渦巻き、
それに包まれたコマさんは、






いつの間にか、神社の狛犬のような姿になっていた。






その神々しい見た目と迫力にAは意味を飲む。





「落下犬岩石!」





「!!」






コマさんは本物の狛犬のような石の姿で、
うんがい鏡めがけて落下した。

67☆まだ終わらない→←65☆だからって


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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年7月30日 19時

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