ドラグニティ・ジェネシス【約束のネバーランド】

短編 碧の王子様と豆小僧 ページ23

『ふう……

今日も良い天気みたいだね』


__「ふう……

今日も良い天気みたいだね」





『…


何してるの…


_____ドン』





…そう言って呆れたような視線を俺に向けた兄さんは絵になる。

突然だか、俺には…俺達兄弟には絶対超えられない人物が居る。…それがまさしく、このハウスで¨碧の王子様¨と呼ばれている最年長の兄、A兄さんだ。


気遣いは出来るしテストは何時も満点。容姿も端麗で兄さんの紅い瞳に捕らわれてしまっては兄さんの方から離さないと離すことが出来ない。

それ程魅力的な人物と言うことだ。





『で__何故僕の真似をするんだドン…』

「いやだって兄さんの真似してればモテそうな気がして…」

『…はぁ……

じゃあどうしてそんな事をするのか教えてごらんよ』





うーん…


簡単に言うと俺は男だからやっぱりモテたい。

それに弟と妹が居る身として立派な兄にもなりたい。だからこそA兄さんのようになりたいんだ。


と、そう素直に兄さんに言った。言ってやった。





『___そうだねぇ…

ドンにはまだ早いかも知れないけど…もし、
その…モテたいとか立派な兄になりたいって言う気持ちがあるなら…皆に自分の一生懸命の気持ちを伝えれるように行動するんだ。


___簡単に言うと皆の¨兄¨として弟妹の重荷を背負っていく事、何がなんでも弟妹を¨守り抜く¨と言う心構え…覚悟。


それがあれば立派な兄になれる筈…


……モテるかどうかは分からないけど…、』





「っ…」





…正直、

この兄さんの言葉を聞いて一瞬唖然とした。


幾ら同じ施設に住んでいるから、兄弟だからとても…血の繋がりが無いのは確か。

だから、どうせ俺達の事はあまり気にかけず、早く里親を見つけようとしているんじゃないかって…優しい兄さんとは別に、自分の心の中でそう思っていた。


____…でも違った。


兄さんは良く俺達の事を最優先し、一生守り抜くと硬い誓いを胸に抱いているんだと…。





…兄さんの言葉で少し泣きそうにはなるが、兄さんから言われた言葉は兄さんらしい。





『まぁ…頑張りなよ。


お前は、俺の大切な弟なんだからさ？』


「に、兄さん…！」


『ま、豆小僧には無理だろうけどさ』


「はぁ…!?」





何処が優しい兄さんだ!!ンなもん前言撤回!!

意地悪で性格が悪い最悪の兄貴だ〜っ!!









_______『……でも…




期待してるよ、ドン』






　



………そんなの言われたら憎めねーじゃん…。

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