クラスに国王様が来る【アンダーバー】

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「……やっと着いた……沖縄！」

「海めっちゃ綺麗だったよな、泳ぐぞ！」

「……今日は平和学習だけどもね」

「平和学習？なんのことだっけ？」

「この苦しみをあと一回……嫌だ……」

沖縄でのバスでも、一行のテンションは下がらず、むしろ更に上がっている。一人を除いて。

「カイ君、大丈夫？」

彼は「心配しないで、大丈夫」と応える……顔は未だに青ざめている。

「平和学習では、沖縄の過去について……第二次世界大戦での沖縄地上戦、それについての学習になります」

バスガイドのその言葉により、空気は一気に静かになっていった。
アンダーバーも、『平和学習』の意味を理解し、いつもは想像もできないほどの落ち着いた顔になった。

「そうだね。地球では……思い出したくもない、でも向き合わなければいけないようなそんな歴史もあったんだよね……」

アンダーバーには想像しにくい出来事ではあるが、ある場所へ向かって初めて苦しみが分かるのであった。

そこは、千羽重なる折り鶴の群が並ぶ静かな世界だった。戦線の地に沈んだ人たちの名前が刻まれる石碑に静かな風が吹く。

まるで平和を運ばんとするように。

「そうか、君たちは後世の平和……幸せのために戦ってくれたんだね……
僕が皆を笑顔にしていくよ……」

「アンさん、何呟いてるの？」

目を閉じながら、空へこの言葉を流すアンダーバーに、ルナが声をかける。

「この場に眠る人たちに僕の意思を伝えてたんだ！」


彼は、いつもの笑顔なアンさんに戻った。

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