終焉する舞台*１ ページ41
しんっ…と静まり、ライトの光が全て落とされた講堂は、ファンの熱気だけが会場を支配している。これから起こることに期待を膨らませて、誰もがステージの上に立つアイドルの登場を今か今かと待っていた。
そんな息を呑むような空気の中、ついに。
ビッグモニターが迎えるように点灯し。
BGMが煽るように鳴り響き。
ファンの期待が最高潮に高まった瞬間── スポットライトが一斉に舞台上を照らした。
俺はマイクを握る手に力を込め、そして中央にスキップせんばかりに向かいながら叫んだ。
「みなさんこんにちは〜！」
最上級のアイドルスマイル。ぺこり、と頭を下げる。
顔を上げた俺の視界に飛び込んできたのは、予想通りの光景。ペンライトを両手に持ち、困惑ぎみに僕を見つめる観客の姿。
(……ま、そーなるわな)
みんな決勝戦……つまり、Tricksterとfineの戦いを楽しみにしていたはずだ。
それが蓋を開ければ、アイドル活動をしたことがない、まだまだど素人同然の無名の新人がいきなり登場してきたんだから。そりゃ戸惑うよな。わかるわかる。
(でも、そんなことは最初からわかり切っていたことだ)
落ち着け。大丈夫、大丈夫。1番ダメなのは、その場の雰囲気に飲まれること。……よし！
「えっと、まずは自己紹介から始めようかな。名前は城崎A、年齢は16歳です！急遽、決勝戦の前座をやらせてもらえることになったんだけど……実は、これが初ステージなもので。緊張していますが精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします！」
にっこりと微笑んで、再び深々とお辞儀をする。
すると、客席からパラパラと拍手が起こった。どうやら戸惑いながらも受け入れてくれた……わけではなさそうだな。
『なんで女の子が？』
『あのこ誰？ 男の子じゃないの？』
『かわいい……。いいぞもっとやれ』
『膝！！貴重なお膝！！！』
などという声が聞こえてくる。
お呼びでない、と言わんばかりの雰囲気。いうなら敵意7割、物珍しさ2割、変態1割といったところだろうか。
(………さぁて。このアウェイ感、どうしたものか)
もしかしなくてもお客さんの間では、夢ノ咲に女がいる、つまり絶対に推しと絡んでるって構図が完成されてる……んだと思う。とても解せないけど。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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