奇縁な遭遇*４ ページ24
｢どんなに素敵なお洋服もね、モデルがいてこそなんだから｣
｢おれもあんな素敵なワンピースがただ飾られとるのは勿体ないなぁって思っとったんよ｣
断り続ける俺に、お兄さんたちはこれでもかと言うほど勧めてきた。
さて、どうしたものか。ちなみに俺はワンピースなんて着ないしこれから着る予定もない。そもそも、少し変わってるみかちゃんさんはわかるが、なぜお兄さんまで男の俺にワンピースを勧めて……あ"。
｢お兄さん、ひとつ言いですか」
どうして今まで気が付かなかったんだろう。いや、気が付かなかったと言うより、気づきたくなかったの方が正しいか。
お兄さんが怪訝そうな顔をしているなか、俺はひとつ咳払いをして告げた。
｢こっほん。挨拶が遅れました、アイドル科に通っている一年Ｂ組、城崎Aです。よろしくお願いします！｣
笑顔付きでそう言うと、お兄さんは僅かに目を見開いてから、俺の体を上から下までしっかりと見た。そして。
｢うっそ！男の子なのォ？！」
手を口に当てて、ぱちくり、と瞬きした。
｢どうりで、コスプレにしては良く出来てる制服だとは思ってたわ……。そう。本物の制服なのね。アタシったらごめんなさい｣
やっぱり勘違いしてた！！
そうだよなぁ。お姫様とか騎士様とか言ってたもんなぁ。恋バナへの適応でそれどころじゃなくって完全にノーマークだった。ちくせう。
｢男の子だったとしても、あなたのような可愛い後輩くんは大歓迎よ。アタシは鳴上嵐、2年生。気軽にお姉ちゃんってよんでね！｣
｢おっお姉ちゃん？！」
お兄ちゃんじゃなくて？ いや、確かにさっきから口調は女の子っぽいと思ってたけど！
｢アタシはみーんなのお姉ちゃんだもの！なんでも頼ってちょうだいね。恋のお悩み相談でもなんでも聞いちゃう！｣
ほ、ほう？まあ本人が良いならいいか。
というか何か大事なことを忘れている気が。首を傾げていると、耳からジジジと嫌な機械音がして──。
『A、まだ到着していないと先生から連絡が入ったが……貴様、いったい今どこでなにをしている？』
インカムを通して聞こえてくる、蓮巳先輩のマジギレ声。
｢ひぇっ。すすすみません蓮巳先輩っ！城崎A、指示された場所にマッハで向かいます！｣
俺は誰もいないところに敬礼してから、駆け足で言われた通りの場所へ向かった。
なにか後ろから｢どうしたのっ？｣という驚いたお姉ちゃんの声がしたような気もしたが、もはや俺の耳には届いていなかった。
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koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (
レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
ダイ - もう、めちゃくちゃ面白かったです！受験勉強後回しにして(？)2日で読み終わりました！ぜひ！続編読ませて欲しいです！ (2月26日 23時) (レス) @page49 id: aa1dedb486 (このIDを非表示/違反報告)
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